episode.8 ページ8
案外すんなりとレギュラス･ブラックが偽の指輪を隠した盆にまで辿りついた
ここにいる死霊の数はあまりにも多いために簡略化したものでは恐らく祓いきれない
むしろAまで水底に引き摺り込まれることになるだろう
少しはスペースがあるため舞うことは不可能ではないが、まあ狭い
『……仕方ないか』
杖を直して代わりに扇子を取り出す
死霊たちはAが水辺に近寄るのを今か今かと水面近くで待ち構えている
『_______"恋ひ恋ひて"』
少し変調のものを口ずさむように、ただそれでもしっかりと声は洞窟中に通るように唄い出す
Aの声に反応してか扇子がﾎﾟｩと暖かく清らかな光を纏う
『_______"
死霊が声とは言い難い音を出して苦しむようにもがく
死霊たちにとっての一番の誤算はAが悪霊などの妖の類いに関しての専門家だということ
しかも祓うことに関しては日本一とも言われるほどの技術、神聖さをその身体に宿している
『_______"さしさしきしと
余計なことを考えず指先まで神経を尖らせて舞うAの今様は神をその身に降ろしているとまで言われるほどに完璧で全てを魅了する
余韻が消えるまで決して集中を切らさない
死霊たちは暖かな光に包まれてどこか穏やかに笑っている
それらが全員消えゆくまでAは静かに見守った
霊を見送ってから扇子をローブに直し、濡れてはいけないため地面に畳んで置く
そして自身に呪文を掛けて躊躇いもなく水の中に飛びこんだ
10mほど潜ったところで底と制服を着た人の姿が見えた
目は固く閉じられ顔も青白く一見死んでいるように見えるがその身体は10年以上も経つのに一切腐敗していない
ｸﾞｲと腕を掴みあげて水中で上手く抱えて地上にまで泳いで上がる
『……っぷは、しんどい』
自身より体格のいいそれも意識のない男性を抱えていたのだ
いくら浮力があると言っても性別が女で数日前まで昏昏と眠り続けていたAには厳しいものがある
どうにか彼の身体を水から引き上げて乾燥呪文で自身と彼を乾かして念のためにスコージファイで清めてからローブを羽織り直した
そしてAは再びレギュラス･ブラックを抱えて今度はそのままアーリア邸に姿あらわしをした
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みや(プロフ) - 麻さん» コメントありがとうございます！更新を止めて暫く経つのにコメントくださったんですね。嬉しいです^^*続き更新しました！これからもよろしくお願いしますね。 (2020年2月24日 19時) (
レス) id: d3ef9add41 (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - サキさん» コメントありがとうございます！やめなくて大丈夫なように頑張って続き書きますね！これからもよろしくお願いしますね^^* (2020年2月24日 19時) (レス) id: d3ef9add41 (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - クリさん» コメントありがとうございます。かっこよくて、たまに可愛い教授を目指して書いているのでそう言っていただけて嬉しいです^^*これからもよろしくお願いします。 (2020年2月24日 19時) (レス) id: d3ef9add41 (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - あっちゃんさん» コメントありがとうございます。いい意味で捉えます！ありがとうございます^^*これからもよろしくお願いしますね。 (2020年2月24日 19時) (レス) id: d3ef9add41 (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - きぬさん» コメントありがとうございます！ようやく更新致しました！！これからもよろしくお願いします^^* (2020年2月24日 19時) (レス) id: d3ef9add41 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みや
| 作成日時：2018年6月27日 16時
