episode.17 ページ17
Aがキッチンで夕食を作っている間、スネイプは彼女の部屋にある薬学書を読んでいた
キッチンに繋がる扉は少しだけ開けられており、ﾄﾝﾄﾝ、ｸﾞﾂｸﾞﾂと規則的な包丁の音と煮込む音と共にふわりと食欲を唆る出汁の優しい香りが漂ってくる
調理している音が消えて代わりに食器の擦れる音にスネイプは本を閉じて立ち上がった
キッチンの扉を開くとちょうど運ぼうと皿を両手に持ったAが目の前にいて驚いたAが皿を落としそうになった
咄嗟にスネイプが皿を浮かせて仰け反って後ろに倒れそうになったAを自身に引き寄せた
｢……大丈夫か？｣
スネイプの言葉にAが何かを言おうとして口を開いたが、すぐに閉じて眉を下げてこくん、と頷いた
｢……思ったより寂しいな｣
独り言のように呟かれた言葉にA
スネイプを見上げたまま首を傾げた
その動きにつられてさらりと流れた黒髪を手に取って指先で弄びながら苦笑いをして続けて言った
｢お前の声が聞けないのは｣
綺麗な声なのに勿体ない、と言われてAは頬を薔薇色に染めて照れ隠しかスネイプの胸元にﾎﾟｽﾝと頭を預けた
ｸﾂｸﾂとスネイプは笑って浮かせたままだった皿を部屋のテーブルに置いてからAをそっと抱きしめた
『〜〜っ！？』
長い大きなローブを来ているために簡単にAはその夜の中に隠れてしまう
薬草のﾂﾝとする匂いと爽やかな檸檬の香りがして、スネイプに頭から足先まで全身包まれているような感覚にAは恥ずかしさでどうにかなりそうだった
何時間にも感じられたその数分が終わり、スネイプの腕の中から解放されたAは先程とは比べものにならないほど顔を赤くしていた
｢初ですな｣
Aは反論したいが如何せん声の出ない今では何も出来ない
その代わりにﾎﾟｺﾎﾟｺとスネイプの胸元を叩いたがその拳も簡単にスネイプの手に絡め取られてAはする術なく項垂れた
声が出なくとも感情豊かに自身のことを伝えるAにスネイプは何か眩しいものを見るように目を細めた
｢レティーツィアは杖なしでも文字を浮かべられただろう？｣
"……それもそうですね。忘れてました"
あまりにもテンパっていたAは文字を浮かべて反論するということすら考えつかなかった
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みや(プロフ) - 麻さん» コメントありがとうございます！更新を止めて暫く経つのにコメントくださったんですね。嬉しいです^^*続き更新しました！これからもよろしくお願いしますね。 (2020年2月24日 19時) (
レス) id: d3ef9add41 (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - サキさん» コメントありがとうございます！やめなくて大丈夫なように頑張って続き書きますね！これからもよろしくお願いしますね^^* (2020年2月24日 19時) (レス) id: d3ef9add41 (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - クリさん» コメントありがとうございます。かっこよくて、たまに可愛い教授を目指して書いているのでそう言っていただけて嬉しいです^^*これからもよろしくお願いします。 (2020年2月24日 19時) (レス) id: d3ef9add41 (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - あっちゃんさん» コメントありがとうございます。いい意味で捉えます！ありがとうございます^^*これからもよろしくお願いしますね。 (2020年2月24日 19時) (レス) id: d3ef9add41 (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - きぬさん» コメントありがとうございます！ようやく更新致しました！！これからもよろしくお願いします^^* (2020年2月24日 19時) (レス) id: d3ef9add41 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みや
| 作成日時：2018年6月27日 16時
