episode.71 ページ21
夏季休業の一日前にAはスネイプの自室に呼び出されていた
『何の用事でしょうか？』
｢……言いたいことがいくつかある｣
不思議そうな顔をしたAに顰め面のままスネイプは口を開いた
｢とりあえず、無事で何よりだ……が、これはなんだ｣
その言葉と共に机の上に叩きつけられたのは見覚えのある羊皮紙
クィレルに攫われた時用のスネイプ宛のメッセージだ
『できるだけ簡潔に書いたつもりでしたが、分かりづらかったですか？』
そう尋ねると頭に拳骨が落とされた
『……い"っ？！』
｢馬鹿者…そんなわけが無いだろう。何故攫われると予想した｣
『…私がダンブルドアの孫だからですよ。恐らく何かあった時の保険でしょう』
頭を押さえ痛みで涙目になりながらもちゃんと答えると、納得はしたようだ
｢ならば何故ポッターたちの行動に気づいた？｣
『彼らの行動は分かりやすいですからね。あと…今夜、と聞こえたからです。おじいちゃんが学校を留守にすることは聞いていましたから』
｢……何故前もって我輩に伝えなかった｣
少し悲しげな声に俯かせていた顔を上げた
『…おじいちゃんのしたいことが何となくですが分かりましたから』
｢何？｣
鋭い目で見られ、Aは彼の顔を見ないように俯いた
『おじいちゃんはハリーにヴォルデモートという存在を教えたかったのだと思いました。自分の目で見て、実感させたかったのではないかと』
｢………そうか｣
スネイプから返ってきたのはその一言だけで、Aは納得させられなかったのかと自身の力の無さを恨んだ
……未来を知っているだなんてまだ言えない
まだ、というより一切言うつもりは無いのだけれども
｢……レティーツィア｣
名を呼ばれ、のろのろと顔を上げる
手が伸びてきて、するりと頬を撫でられた
｢……なんて顔をしている｣
スネイプの瞳に写ったAは眉を下げ、情けない顔をしていた
慌てて俯こうとするがスネイプの手がそれを許さなかった
｢謝るな。てっきり、我輩は頼りない男なのかと｣
『教授はとても頼りになる方です！ですが、あまり負担を掛けたくないんです』
スネイプの自嘲じみた発言にAは思わず立ち上がった
そんなことない、教授はとても勇気のある凄い人
……お願いだから、そんなこと言わないで
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えぐち - めっちゃあやかし緋扇混ざってるし面白いですね (2021年2月21日 21時) (
レス) id: ba6b4fdba7 (このIDを非表示/違反報告)
クリ - この小説を読み始めました続編楽しみにしてます。 (2019年7月7日 12時) (レス) id: bcc8d54971 (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - レモンさん» コメントありがとうございます^^*更新はゆっくりですがこれからもよろしくお願いします (2018年12月17日 15時) (レス) id: c0cb5464bf (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - はじめまして、最初から読みました。とても面白かったです！すんなり世界観などにのめり込むことが出来ました！これからもこの作品を楽しみにしてます！ (2018年12月17日 14時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
renka20020319(プロフ) - あやかし緋扇が混じっててびっくりしました！とても面白い小説ですね！ (2017年6月4日 19時) (レス) id: a1d88666cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みや
| 作成日時：2017年3月9日 16時
