ひたすらに安室さんが冷たい。

▽貴方に、会いにきました ページ26

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新一くんに教えてもらった場所は、もう潰れてしまったショッピングモールの地下駐車場。こっそりと壊れた自動ドアから忍び込んだ私は、現在進行形で薄暗い中階段を一段ずつ降りていた。


電気なんてついてないから、頼れるのはスマホの朧げな光と、自分の目だけ。懐中電灯は目立ちすぎるから、ね。


「……ほんとにこんなところに安室さんがいるのかなあ、、」


最後の階段を下りきって、重い扉を開いた先にはだだっ広い廃墟が広がっていた。そこらじゅうに鉄材が散乱していて、気を抜いたら足を取られそうなくらいだ。


もう一度気を引き締めて、ゆっくり、ゆっくりと歩いていく。その時、カーン、というまるで鉄材がぶつかり合ったような音が響き渡った。

息を止めて、後ろを振り返る。ミルクティー色の髪が、暗さに紛れてくすんで見えた。


「…………Aさん。どうして、貴方が、ここにっ……」

「っ…貴方にっ！ 安室さんにっ、会いに来たんです…っ_________」

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