ひたすらに安室さんが冷たい。

▽合コン ページ14

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「乾杯ー！」

響くかけ声。と目の前には三人の知らない人達。いや誰……、と慣れない愛想笑いをしながら、コップを持ち上げる。これ明日表情筋が筋肉痛になるやつだ絶対。

話に混ざりたくないので一人ちびちびとお酒を飲んでいるとちょっとチャラめの人が話しかけてきた。

「君名前なんていうのー？ 俺は翔太」

「な、成宮ですけど……」

翔太さんは違う違う、と笑ってぐっと距離を詰めてきた。向かい合うように座っているので、翔太さんはもう乗り出しているような感じだ。

「下の名前のことだよ」

「あー、ちょっとそれは……」

切実に気持ち悪い。私はニコニコ笑いながら上手く避けようとするが、相手も慣れてるみたいでしつこい。

「別に名前くらい良いじゃん！ ……なんのためにこれに参加したわけ？」

低い声で言われて体が固まる。友達は他の人と盛り上がっていて、こっちには気づいていなかった。どんどん近づいてくる距離に思わずぎゅっと目をつむったその時――。

「……――この子は、僕のものなので」

私は誰かに、抱きしめられた。

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