名主役 (ページ1)

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“完璧な姉”と”出来損ないの妹”

こういう設定って正直少女漫画とかでありがちだ。
こんな少女漫画を読む度にずるいなあって思う。

実際に私たち姉妹もそうだからだ。

凛「A！！いつまで寝てんの！？！？もう8時だよ！！！！！！遅刻するよ！！！！！！」

『えっ！？もう8時！？』

姉の声で慌てて飛び起きる。

そこにはもうカバンを手に持って準備万端な姉の姿。

凛「もう！！！！置いて行くからね！！炭治郎とっくに来てるし！！！！」

『エエッ！？嘘！！』

凛「もう炭治郎10分くらい外で待ってるんだよ！？私行くから！！！！」

そう言って姉は思いっきりバタンッとドアを閉めて出て行ってしまった。

私には１つ歳上の姉がいる。

髙松凛。
容姿端麗、成績優秀、そして誰にでも分け隔てなく接する人柄の良さ。私とは正反対で完璧な姉だ。
そりゃあ昔は恨んだこともあったけれど、今ではもう吹っ切れた。

炭治郎は隣の家に住んでいて、炭治郎の家はパン屋さんを営んでいる。

私も急いで準備をする。
今週は既に遅刻を2回している。
3回目はマズイ。

現在時刻は8時15分。

走ればまだ間に合う！！！！！！！！
これは行ける！！！！！！！！！！

炭治郎の家のパン屋さんで昨日お母さんが買ってきた食パンをとりあえず口に咥えて急いで家を飛び出る。

ドンッッッッ

道路に出た瞬間、何かと思いっきりぶつかった。
その拍子に口に咥えていたパンが飛んで行く。

『痛っ………もう何………善逸！？！？』

善「えッ！？Aちゃん！？！？！？」

『善逸！？善逸も寝坊！？』

善「Aちゃんはもうとっくに炭治郎と凛ちゃんと行ったと思ってたよ！？！？今日目覚ましかけ忘れちゃってさぁ！！！！」

『そんなこと言ってる場合じゃないって！！走るよ善逸！！』

善「ええっ！？走るの！？もう今日は遅刻でよくないッ！？！？」

炭治郎、善逸、凛、私の4人は家が隣同士の幼馴染だ。
いつも4人で登下校をしている。

まあ、私が寝坊しがちなので今日みたいに4人で行けない日も度々ある………笑