shOrt stOry

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彼女は誤解をしたまま俺に気遣うように

『…とりあえずお茶でも飲む……？』

遠慮がちに聞いてくる

この誤解をどうにか解いて彼女を甘やかしたい気持ちでいっぱいの俺は頬から手を離すと今度は彼女をぎゅぅうと抱き締める

『？？？！』

彼女の首筋に顔を埋め彼女の匂いを堪能する

『…大丈夫……？』

そんな行動に彼女は驚きそしてまた気遣うように言われる結果に
駄目だ…誤解が深まってる気がする…

ここは変に行動するより言葉で伝えた方が良いのかもしれない

そう思い靴を脱ぐと彼女を抱き抱える

『！？！！！』

『な！！何をして…！！？』

初めてでも無いだろうに顔を赤く染める彼女と目が合うととりあえず具合の悪い彼女をベッドまで運ぶ

『あ、あの…？』

「…体調悪いんでしょ？ここでいいから聞いて欲しいことがある」

狼狽える彼女を真っ直ぐ見据えながらベッドの横に座ると言葉を選ぶ

彼女はなぜそれを知っているのか、という困惑した顔とこれからされる話が怖いのか不安そうな表情で俺を見返す

「…………」

『…………』

続く沈黙に彼女の顔はさらに青白くなっていく

まずい、言いたいことは決まっているのに緊張で全く口が開かない

バクバク跳ねている心臓が余計に緊張を高める

『……あの…無理して今日言わなくても…ね？』

眉を八の字にして笑うとまたもや気遣うように言われる

「いや、今日言うよ」

冷たく響く声に彼女が震えだすのがわかる

違う、そういう顔をさせたいんじゃなくて

『…もしかして………私達の関係の話…』

しびれを切らした彼女が誤解したままの状態で話の核を突いてくる

「……その…」

どもる口に自分を殴りたくなる

『…………この関係止めたいんだね』

「！！！」

違う、と言いそうになったけどこの関係性のままいたい訳じゃないため否定の言葉を飲み込む

『…………』

「……………好きだ」

『…………』

「…………」

『…………………え？』

脈絡もなく突然嘆かれた愛の告白に彼女は数秒の沈黙を挟み返事をする

「この関係じゃなくて、」

『ちょっと待って！！！』

話を続けようとする俺を遮る彼女は今にも泣き出しそうな顔をしていた

「…………」

『…ちょ……ちょっ…と…………え？』

混乱しているのか上手く言葉が整理できていないようだそんな彼女の待ったを振り切り

「Aが好きだ、俺の彼女になって欲しい」

昔彼女がしてくれたように
手を握り目を見て伝える