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二口は息を整えながらしどろもどろ状態の私を見下ろす

「………今度は何があったんだよ」

怒りを少し抑え優しさ混じりの声でそう聞くと

「ちょっとこっち来い」

『…えっ、ちょっ！！』

掴んでいた腕を引っ張られる
されるがままで近くの公園に

私を木のベンチに座らせると逃がさないようになのか背もたれに手をかけ私を囲うようにする

「…で？何があったわけ？」

『…いや……別に…』

私の返事が気に入らなかったのか眉間にシワを寄せまくしたてるように聞いてくる

今日タオル配りに来なかったのは？
てか、今日体育館に居なさすぎでしょ
いつもはりなちゃんと話してたらしつこいぐらい邪魔してくるのに無かったし
帰りのアレは何？

彼からの質問は全て私が意識してやっていた事だった

イラついてる彼からは本音が出る

やっぱりしつこかったのか…
勝手に落ち込む

『…その…これ以上嫌われない様にと思って……』

ボソボソと答える私に彼の眉間のシワが更に深くなる

「嫌う？一体いつそんな事言ったよ？」

『…………』

「…………」

後輩君との会話聞いちゃいました～、なんて口が割けても言えない…！

「………A…！」

私が黙っていればいる程彼の圧力は高くなる

「……言うまで帰さねぇぞ」

脅しのように低い声でそう言うと私を囲う腕を近づけてきた
それに伴い近づく顔、私はだんだん恥ずかしくなりとうとう自白を始める

『…今日…聞いちゃって…』

「何を？」

『……後輩君と、タオルはりなちゃんからの方が気合い入るって、私の行動が迷惑って……』

自分の好きな人に自分の悪口を聞かれた恥ずかしさとそれを自分の口で彼に言う恥ずかしさで私の声は段々と小さく細くなっていった

「………はぁ…」

彼の大きなため息にビクリと体が揺れる
幻滅された…言わなきゃよかった

『……ごめんね…しつこくしちゃって…もうしないから…』

更に声の小さくなった私を彼は囲んでいた腕をそのまま回しぎゅぅう、と抱き締めた

「…ごめん、傷つけた」

『…………』

彼の言葉に今日１日ずっと我慢していた涙が溢れる

「…正直、後輩の話は流す程度でしか聞いてなくて、適当に相づちうってただけで…」

優しい彼の声に心が落ち着いていく
流れる涙を指で拭ってくれた

「…言い訳に聞こえるかもしれないけど……ごめん…」

『………………私の事…好き？』

泣きながら聞く私に一瞬目を見開いて直ぐににこりと微笑むと

「もちろん、好きだよ」