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その先+黒尾鉄朗 ページ20

「今日も遅くなるから、」



『わかった、気をつけてね』



「おう、いってくる」



『…いってらっしゃい』





いつものように見送るその後ろ姿



いつからか無くなったお見送りのキスも



いつの間にか見慣れてしまった。














『ふあぁぁああ』



朝ごはんの食パンを味噌汁で口に流し込みながら
毎朝の日課の占いを見る



『げっ、下から二番目…!』



最近そこら辺をさまよってるな〜、
なんて思いながら考えるのは彼との関係



出会って10年、付き合い始めて6年
同棲して4年



彼、黒尾鉄朗との生活もかなり板についてきた。



高校生の頃に出会った私達は長い友情を経てお付き合いを始めたからなのか、まるで親友のようなカップルなのである。


もちろんお互い好きだから一緒にいるわけだけど



彼のそれが恋愛的かと聞かれると
はい、そうです。
と自信満々には答えられない。


それは彼の態度が友達の時となんら変わりがないからで



私に自信がなくなってきているから。



私は高校の時から彼が好きで
付き合えた時は嬉しくて、彼に夢中だった


とにかく幸せで自分からデートに誘ったり

同棲の提案をしたのも
いってきますのキスも
おかえりなさいのハグも


私からだった




どうやら私はかなり鈍い方らしく彼の本心に気づくのにかなりの時間をかけてしまった

いや、気づかないようにしていたのかもしれない





あの日、仕事帰りにたまたま見かけたから



彼と彼の元カノが一緒に歩いているのを



そこで私は始めて自分の気持ちが一方通行だと気づいたのだ




そういえば彼が彼女と付き合ってた時は彼はもっと積極的だった



自分からデートに誘ってたし
きっとキスもしてた



それからは葛藤の日々




もし気持ちがなかったらこんなに続くだろうか
同棲だってしてないよね



なんて都合のいい考えをし、その確信を得るために自分からのスキンシップをやめた












それは逆の確信を私に与えるだけだった



いってきますのキスも
おかえりなさいのハグも



まるで最初から無かったかのようになくなってしまったのだ














「今日の天気は晴れで、デート日和になるでしょう」



テレビから聞こえる天気予報士の声でハッとする

時計を見ると家を出る時間になっていて


『わ、まずい!』


慌てて準備をする


「今日から6月、頑張っていきましょう〜!」


テレビのお姉さんの声にふとカレンダーを見る

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設定タグ:ハイキュー!! , 短編集   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:Machya | 作成日時:2018年5月30日 7時

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