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どっか痛いの？どうした？
ちょっと焦った声でそんな事を聞いてくる
これ以上心配させるわけには、と思い
A「大丈夫！！」
いつもより大きい高い声でそう言い
さっと立ち上がる
それを見た二口はそれならいいけど、と言いながらつられて立ち上がる
よし、とりあえずは誤魔化せた
そう思い歩き出そうとすると
A「！！！！」
腕をぐいっと引っ張られ体ごと後ろに傾いた
びっくりして思わず後ろにいた彼を見る
「………………」
引っ張った張本人は腕を掴んだままダンマリ
歩き出そうともしない
A「………二口？？どうしたの？」
そう声をかけると
掴まれた腕に力が入った
やっぱりなにかあったのかな
もしかしてさっき彼女と話していたのは…
悪い予感が再び訪れる
もしかして、私に別れ話を
その考えを遮るかのように彼は口を開いた
「……なにかあったらすぐに連絡しろよ」
A「…え……」
「心配するだろ！」
掴まれた腕に更に力が入り彼の熱が伝わってくる
二口の顔は怒りで赤くなっていて
私にはこんな顔ばっかりだ、なんて思う
A「……ごめんね」
考えが読まれるのが怖いのと自分の醜い顔を見られたくなくて、ただただひたすら掴まれた腕に目線を落として彼の次の言葉を待っていた
「………A」
A「…………」
さっきの怒った顔からは想像もできないそうな優しい声で呼ばれた名前
腕は相変わらず掴まれているけど前よりも緩くなっていて
彼の優しさを感じる
「………お前やっぱりなんかあっただろ」
A「！！！」
「さっきから全然違俺の顔見ないし、俺なんかした…？」
いつの間にか二口の声は寂しそうになっていた
違う、そうじゃないの
そう言いたいのに、素直に言えなくて
「…………」
首を横にふることしかできなかった
これ以上彼を私のわがままにつきあわせられない、もう終わりにしないと
ふと、頭にうかんだ
今なんじゃないかと
A「……二口…」
「…………なに…」
緩まれた腕がピクリと動いた
A「………………感謝してる」
「…はぁ？」
私の突然の言葉に素っ頓狂な声を上げる
A「……好きでもないのにこうやって私のワガママに付き合ってくれて、大事にしてくれて」
A「本当に感謝してる、ありがとう」
「！！！」
A「だから…もう終わりに」
「しないよ」
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作者名：Machya | 作成日時：2018年5月30日 7時
