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そうして賭けに勝った私は
彼の彼女になったのだが
「皆さんお疲れさまです！タオルどうぞ！」
「…おう、さんきゅーな」
変わらない
いやむしろ前よりイチャイチャしてる
なんだあれ、頭なでて
なんだあれ
A「なんだあれ！！！」
洗濯の終わったタオルとユニフォームを干しながら叫ぶ
もう遅くなって暗いとはいえ人はまだちらほら
思ったより声が大きかったようだ
ちらちら見られてる気もするけどそんな事を気にしている余裕はなかった
あれから時間はすっかり経ち
暑かった日々から寒い季節に変った
私と二口との関係はまだ続いており
恋人らしい事は無いにしろ順調に2人で絆を深めていた
そのはずなんだけど
始まりがああだったからか不安が拭えない
付き合い始めてすぐは彼も戸惑っていて
これから好きになってもらうんだ、という気持ちで彼と接していた
けれど今は違う
少しだけど彼からの好意を感じる
向こうから手をつないでくれるようになったり
家まで送ってくれたり
洗濯物を干しながら考える
冷たい洗濯物のせいで指は冷たくなってしまった
A「…あー、さむ………」
洗濯物を干し終えて乾燥機のスイッチをいれる
洗濯物の次は…
と考えながらドアを開けると
ドンッと顔から何かにぶつかる
A「っわ！」
「おっと…！」
ぶつかった相手は二口だった
A「二口？どうしたの？」
ぶつけた鼻をさすりながら聞くと
「お前を待ってた」
そう言う彼をよく見ると制服だった
A「あれ？もう終わったの？」
「今日は保護者会とかなんかがあるから早く終わったよ」
そう言われて思い出す
A「そういえばそうだった！」
私の答えに彼の口が緩む
「やっぱり忘れてたか(笑)」
図星である
A「急いで着替えてくるからちょっと待ってて！！」
焦る私を見て
また口元を緩める
「おう」
焦んなよゆっくりでいい
なんて言いながら彼は寒そうに背を丸めていた
・
・
急いで着替えていつもの場所に行くと
影が2つ
背の高い影と小さい影
嫌な予感がした
「今日もブロックすごかったです！」
「ありがとう」
こういう時の予感はよく当たる
優しい声で優しい顔で彼女と話す彼
自分には見せてくれない
照れた顔
気づくと引き返していた
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作者名：Machya | 作成日時：2018年5月30日 7時
