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それは、100%断言できる。一目惚れではなかった、と。
『知ってました?風見さんって、犬より猫派なの。でも最近は、何故かずっと犬の躾本読んでるんです。飼い始めたんですかね?』
降谷零は今の状況にどこから突っ込もうかと一瞬考えたが、まず最優先は目の前の業火で炙られる肉だろう、とトングに手を伸ばし肉をひっくり返した。
それに気づいた羽柴は、自分よりはるかに料理がうまい上司に早々と任せることにして、空いたグラスを隅に寄せ店員に追加の注文をした。
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「知ってた。前、張り込み中に聞いたことがある」
当然のように返す降谷に、頷きながら相槌をうつ。
『さすが相棒、ツーカーの仲ですね』
「ちなみにあいつは何も飼ってないぞ。うちの犬の世話を時々見てもらうんだ」
『そうだったんですね。もうお二人結婚した方が良いのでは?』
無責任にへらりと笑う羽柴にため息をつく。
(どこの世界に好きな女性を目の前にして、あの黒縁眼鏡に惹かれる男がいるんだよ)
トリプルフェイスとうたわれた超完璧公安警察・降谷零が少しずつ壊れ始めていると部下の間で噂されるのは、間違いなくこの女 羽柴Aのせいである。
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羽柴は警視庁公安部の人間で、歳は3つか4つ下。風見同様、降谷と直接連絡の取れる数少ない部下である。
彼女が公安部に来たのは、あの陰湿な黒集団が逮捕壊滅されて、半年も経たないうちであり、そろそろ配属されて2年になろうとしていた。
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まさにそうだ。
何を隠そう降谷零は、恋をしている。
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うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています この作品はもう更新されないのでしょうか? (2023年4月27日 18時) (レス) id: de2c41cb59 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハル | 作成日時:2021年10月3日 23時