ふたりの愛情論(仮)【赤井秀一】 (ページ27)

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ジェイムズ・ブラックページ27

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翌朝ー

新堂が起きたときには、既に赤井の姿は無かった。二日酔いな訳ではないが、酒を飲んだ次の日特有の体のダルさに、髪をかきあげながらどうにか体を起こす。

午後からと言えど、今から帰るにしては遅すぎる。

高級ホテル特有のマットレスの慣れない弾力に少し苦戦しながらベッドを出る。帰るほどの時間はないが、仕事に出るには早すぎる。

自棄に明るい外からの陽の光に眉間にシワを寄せ、壁一面のガラス窓から地上を見下ろしながら、頭のなかで今日の予定を組み立てる。

キリのいい時間まで、ホテルでゆっくりさせてもらえばいいのかもしれないが、それはどことなく居心地が悪かった。

結局立ち上がった新堂は、身支度を整え、本庁を目指してしまった。

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『げ』

警察庁の女性更衣室を開けたところで、新堂は声をあげた。
そして、その声がしっかりと耳に届いたジョディとバッチリ目が合う。

「あらあらあらー」

ニヤニヤするジョディは、めんどくさいと顔に書かれている新堂に執拗に絡んでいった。

「昨日とおんなじ服じゃなーい？」

テンプレートそのままの言葉に愛想笑いで返事をする。するとジョディは、新堂の服に顔を寄せ、くんくんと嗅ぐ。

「間違いない。煙草の匂いとホテルのルームフレグランスの香り」

新堂は、これだからジョディに出会う前に着替えたかったのに、と昨日終わりかけにロックの梅酒を流し込んだことを後悔した。
ロッカーに置いていたシャツに着替え直し、髪を緩くまとめる。

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