今は宮野志保 ページ18
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『志保ちゃんは最近どうなの？彼氏とかできちゃったりした？』
「あなた、自分の心配した方がいいと思うけど。隣に住む犯罪ホイホイ探偵を見習いなさいよ」
ぐっ、声にならずに喉が鳴る。
痛いところをつかれた。
「FBIの暴君とはお熱なの？」
ニヤリ、と口角をあげた志保は、からかうような視線をやる。
『子供がオトナの恋愛に首突っ込まないー。お姉さんがいつでもアドバイスしてあげるからね』
恋愛相談ドンと来い、と両手を広げる。志保は鋭く冷めきった目を向けて、最近また体重の増えた博士の夜ご飯は何にしようと考えていた。
そんな思考回路が分かったのか、新堂が口を開こうとしたとき、雰囲気を変える着信音が鳴り響いた。
机の上に伏せておいたスマホを手にする。
【後ろにも目がある男】その名で保存された男はひとりしかおらず、情報漏洩対策でつけたものであったが、なかなか秀逸であったと自画自賛する。
志保に断りをいれ席を立ち、3コール以内に応える。
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『はいこちらクリームサンド片手にあれやこれや愚痴ってた事が実は筒抜けだったのかとビクビクしている駒沢です』
最初の応答は、本名で答えない。公安の絶対的ルールである。
「はぁ‥‥、実はヒナの名前を【心臓に毛が生えてる女】で登録してる降谷だ」
『え、初耳ですよそれ』
「宮野志保を訪ねると聞いた時点で、僕はある程度予測はできていたがな。頼んでいたキジマの詳細だが、サイバー課から下りてこなくて困ってる。大方いつものあれだろう」
あれ。新堂、降谷、風見、服部が織り成すカルテットには通じる魔法の合言葉である。そしてそれに対処できるのも唯一ひとりだけ。
『了解です。30分以内には必ず対処します』
「頼んだ」
スマホをポケットにおさめた新堂は、その足で座ることなく鞄をつかんだ。志保も今さら驚いたりはしない。警察とくにこの組織が常にドタバタしていることなどとっくに知っているからだ。
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作者名：ハル | 作成日時：2021年9月16日 19時
