洞窟の入口 ページ42
｢というわけで･･･主準備いい？｣
『あぁ･･･』
｢････････････｣
ヤケにこもった声にみっちゃんはジト目する。
俺は今完全防御体で立っている。
目の周り以外全て甲冑(ｶｯﾁｭｳ)に見舞われた格好である。
何処から手に入れたその甲冑で今回は対応しようと思う。
『フハハハハ！これで(多分)無敵なのだ！』
｢肝試しに甲冑で来る人なんて僕初めて見たよ｣
｢ぼ、ボクもです･･･主さんカッコイイです｣
『五虎退くんっ！ありがと。俺も初めてさ』
五虎退くんのキラキラした目が俺に向けられている気がする。
重くて動けないのだ。
重すぎて目しか動かせない。
まぁそのようにしたかったので結果オーライだけども。
ザッ。
洞窟の入口に立つ。
｢ザッ･･･じゃないから！はやく！｣
『んだよ･･･カッコつけさせろよ！』
｢もうかれこれ君が入口に辿り着くのに10分かかってるんだよ！はやく！｣
『うわ、そりゃ失敬･･･気を取り直して･･･』
｢主！入るよ！みんな準備して〜！｣
｢｢は〜い！！(うぃ〜っす)｣｣
『今、うぃ〜っすって聞こえたけど。うぃ〜っすって･･･！』
｢じゃあ、主･･･健闘を祈る！｣
『･･･では、勇者サニワ行っきまァァァす！！！』
勢い良く砂を蹴り入口に入る･･･はずだった。
脳内では。
現実、甲冑が重すぎて超スロー再生の様に1歩ずつが重かった。
･･･ググググ･･･ガッシャン。･･･ググググ･･･ガッシャン。
｢遅っ！｣
『し、疾風の如く速いはずが･･･』
｢こんなのキリないって！ほら、甲冑脱いで･･･｣
『イヤだ！俺の寿命が縮むんだぞ！イヤだ！』
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作者名：のろすけ | 作成日時：2019年7月26日 22時
