魔王現る ページ27
『むむ・・・うむむ・・・』
「どうされましたかな、主殿」
『大倶利伽羅さんが怖い・・・』
「・・・・・・」
鳴狐さんのお供さんは俺の肩に飛び乗り、一緒に偵察を始める。大倶利伽羅さんは誰とも話さず何もせず廊下を歩いていく。
『話しかけるなオーラ凄いんだぜ?・・・審神者頑張ってるけどさ、話しかけれぬ。怖いぬ』
あぁ、無敵になりたい。無敵になって大倶利伽羅さんに話しかけたい。勇者A、全然一歩が出ない。
『・・・・・・・・・』
ジリジリと距離を詰め、後ろからの不意打ち攻撃をしてみようと思った。ーーーーーーが。
「・・・・・・・・・なんだ」
『・・・・・・』
突然の振り返りに変なポーズをし、固まるA。
題名はグリコのポーズ。
「・・・・・・・・・何がしたい」
『・・・・・・大倶利伽羅さんとなかよ「馴れ合うつもりはない」・・・・・・』
仲良くすら言わせてくれない大倶利伽羅さん。
うむ、うむむ。手強い。手強いぞ。
『なんか大倶利伽羅さんってクラスに1人はいそうなタイプですよね・・・俺に近づくなっ!!っていうオーラをぶちかましきゃ・・・待って!』
全部言い終わる前にため息漏らしてさっさと歩いてったぞ彼奴!
『大倶利伽羅さんと仲良くしたい!仲良くしたいぃいいいいいい!!』
「・・・・・・五月蝿い、馴れ合うつもりないと言っただろう。俺に構うな」
『なんと!!』
さっきまで闇のオーラがもっと勢い増してしまったようだ。怒らせてしまった訳では無いが怖い。
『じゃあ聞きますけどっ!なんで仲良くしちゃダメなんすか?なんですか?俺が嫌いですか?何なんすか?大倶利伽羅さんは何者ですか?まさか、魔王!魔王ですか?!』
「・・・・フン」
彼はそのまま向きを変えて俺から離れる。彼は俺が嫌いなのか?真相が分からない。何故だ。
少しだけ俯いてしょぼくれていると頭上からもっさァァ!と重いものが被さってきた。
「審神者様ァァァ!元気ですかァァァァァァ!元気があればっ!ぬぁぁんんでも出来るッ!!」
『う”ぁ”ぁあ”あ”ああ”ああ”ああ”ぁぁぁ!!!』
覆いかぶさってきたこんのすけらしき前足が俺の目を覆い前が見えない。
『ちょ、次期油揚げこんっのやろ!前が見えねぇーだろーが!降りろ!それか落ちろ!今すぐにだ!』
「いやぁぁぁっ!そんな揺らさないでぇええっ!」
するとヒョイとこんのすけが目の前から居なくなった。・・・大倶利伽羅さんが持ち上げていた。
124人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:のろすけ | 作成日時:2019年7月16日 23時