気まずい空気ぶち壊す三日月さん ページ19
全ての刀剣様が集まり凄い目線を感じながら朝餉を食べていた。無言で気まずくて・・・。
『・・・・・・・・・』
「「「・・・・・・・・・」」」
勿論一期兄さんも薬研兄さんも黙っていた。誰も一言も話さない変な空気の中、それをぶっちぎる一振が現れた。
「主よ、その腕はなんだ?」
優しくおじいちゃんみたいに話しかけてきたのは・・・三日月さんだった。顔は笑っていても奥に潜む感情が出てきていた。
『転んだ、以上』
「転んだらそのような怪我にはならなんだ・・・」
確かに折られた左腕は包帯によって肩に固定されているし、右肩も包帯かけられていて、頬の傷も絆創膏が貼られている。
『・・・・・・・・・じゃあ大きなこけ方したんです』
「・・・・・・では、昨日の夜中の悲鳴はなんだ?歌声はなんだ?」
『・・・・・・ぐッ!』
くそう、そこをつかれたか・・・。固まった俺を凝視するみんな。王手を刺された王将の様に身動きが取れなくなってしまった。
「ほれ、本当のことを言うてみい・・・ほれ、ほれほれ」
『・・・・・・』
三日月さんは半楽しそうに「ほれほれ」コールをする。・・・んだよ。起きてたのかよ・・・。
『・・・・・・・かくかくしかじか』
「ほほう、そのような事が・・・」
ウンウンと理解した刀剣様の中でただ1人、薬研兄さんだけ首をかしげていた。
『・・・・・ま、自業自得だ。近道しようと冒険した俺が悪い』
「今度ジジイも連れてゆけ」
『はぁっ?!』
「僕も」 「俺も」
なんということでしょう。みんな厠行く時に連れていったら逆に警戒されるのでは?
というか俺が警戒する。沢山の刀剣様に護衛されるのだ。俺は総理大臣か。ボディーガードじゃねーんだよ。
『・・・そんなの、目立つだろ』
「案ずるな、1列に並べば良い」
『なんの大移動?やめろよ、恥ずかしい』
「はっはっは・・・」
「こんのすけもお供しますよ!」
『お前は留守で』
「ギャン?!」
『実況してうるさくなるんだろうし』
「こんのすけの扱い・・・」
『案内人にはちゃんと無事で居てもらわねぇとな』
「あれ、審神者様優しい」
『俺は元々優しいですけどー?何か文句あんのかゴラ、焼くぞゴラ』
「あ、全然優しくなかった」
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作者名:のろすけ | 作成日時:2019年7月16日 23時