今度の審神者は超怖がりでした《弐》 (ページ37)

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演練③ ページ37

ー演練会場ー

俺は第一部隊と一緒にいる。もう半分死にかけ状態で清光に背中を押されながら前に進む。
色んなところに審神者様の刀剣様達が居て、何だかまずい所に俺は放り込まれたのだと確信した。

ドン！

｢貴様･･･前を見て歩け｣

『ご、ゴメンなさい･･･』

イカついお兄さんにぶつかりもう刀剣様か審神者様か区別がつかないような幻覚に陥っていた。
というか･･･向こうから当たってきた気がした。

｢ほほぅ、貴様の所には三日月がいるのか･･･どれ、ぶつかった礼として我にくれぬか？｣

カツアゲ･･･こんな所でカツアゲ。怖い怖い怖い怖い。相手の強面でイカついお兄さんは俺を見て黒く笑った。震える手に汗が滲む。

『悪いけど貴方には･･･三日月様はやれません』

｢･･･チッ｣

俺とその強面イカつい審神者との緊張感が演練会場に走る。今まで笑いに包まれていた会場がシンとした空気に包まれる。向こうの神様はみな、アワアワしてる。

｢あ、主･･･？｣

『･･････』

グイッと清光の腕を引っ張って対戦席に向かう。

｢ねぇ･･･聞いてる？主･･･｣

『怖い怖い怖い怖い･･･なんであんな事言っちゃったんだろぉおおおっｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞ･･･戦いたくないよォ･･･でも向こう三日月さん取る気満々なんだよ？
今更逃げる訳にも行かないしさぁ？みんなこっち見てるし･･･清光ぅ･･･助けてぇえ･･･』

途中でみんなに囲まれながら頭を抱えた。
怖がり審神者発動。怖くて手の震えが止まらない。
あぁ、全部あいつの責任にしよう。
今夜のおかずはこんのすけだ。
こんのすけは行きませぬ(裏声)なんて言うから逆毛してやったけどさ？向こうの強面イカつい審神者の殺気がこっちにめちゃくちゃ向いてて怖いし。
もし、ここで辞めたら絶対殴られたりするんだろうなぁ。あぁ･･･帰りたい。

｢主よ･･･｣

『はいっ･･･ご注文は如何ですかっ？！』

｢俺達は大丈夫だ･･･主は安心して待っとれ｣

『はい、かしこまりましたァァァ･･･』

｢俺達は負けないから大丈夫｣

清光よ、その言葉のどこに根拠があるのだ。
向こうのレベルみた？ちゃんと見てきた？凄まじいんだけど。怖いよぉ。
俺もあれから清光達のレベル一切見てないけどさ？

『ｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞ･･･対戦席行きたくないぃ･･･』

と言いながら恐る恐る対戦相手の隣に座るとギロりと睨まれた。
あぁ･･･この世は終わりです。俺は死ぬかもしれないと隣で手を合わせてた。