カネさんさん目線 ページ38
カネさんside
あの主、カッコイイこのオレを抜き、更には軽く国広と当たりやがって･･･。許せねぇ･･･。絶対怖がらせてやる･･･。
あん時、殺気がすげー湧いた。最初に国広と挟んで名のしれない審神者を殺す時の殺気よりも強い感情が湧いた。
｢きーよーみーつー？｣
『お、きやがったな･･･』
作戦開始。ずっと待っていた重い腰を持ち上げ定位置に着く。
そして･･･歩き始めるのだった。
幽霊っつーものはどういうものか知りたくもないが主を驚かせるためである。まぁこのオレはこんのすけとかいう次期油揚げに聞いて失神しそうになったが･･･。
『うぉおおおお･･･』
ドスの効いた声ならバレずに行けるのではないか･･･と思い手を狼男の様にして歩く。
｢カネさんさん、髪の毛引っ張られたくなかったらそこどいて下さい｣
何故バレた。オレのドスの効いた声で分かるはずがねぇ･･･！
『う、う、うぉおおおお･･･』
負けるか！漢として負ける訳には行かねーー。
｢カネさんさんの〜？嫌いなものは〜なんですか？｣
『うひっ･･･？！』
多分情けない声は聞こえていないのだろうが、オ、オレの怖いもの？な、無いに決まってる！
ていうか、全然この主、怖がってねぇ･･･。
もっと声あげれば驚くはずだ。
『うぉおおおおぉおおおおっ！！』
｢カエルですか？げろげーろ｣
『うぎゃぁああああっっつ！』
か、カエル･･･。オレの･･･オレの大嫌いなものベスト三の内の一つ、カエル･･･。
｢げろげーろ、げろげーろ(棒)｣
この主、何故俺の弱点知って･･･。
暗闇の中でひっそりと笑うその笑顔が怖い。
完全に俺は狙われている。
｢か、えるの、うーたがっ！きこえてーくーるよっ！ぐわぁぁぁっ！ぐわぁぁぁっ！ぐわぁぁぁっ！ぐわぁぁぁっ！！げーろげーろげーろげーろ！！ぐわっぐわっぐわぁぁっ！｣
カエルの声強調するんじゃねぇぇぇぇぇっ･･･！
ワザとかこいつ。わざとだろ！ぜってぇ遊んでるだろ！
『ぎぃやぁああああっっつ！』
オレは一目散に逃げる。国広の元へ。
｢どうしたの？カネさん！大丈夫？｣
『あ、あ、主がぁ･･･主がっ･･･』
｢カネさんの仇は僕が取ってくるよ！任せて！｣
『た、頼んだ･･･((泣))』
国広に任せて俺はとりあえず泣こう。怖すぎる。
何なんだ、あの主。昼間の驚きは･･･なんだったんだ？
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作者名：のろすけ | 作成日時：2019年7月7日 21時
