今度の審神者は超怖がりでした (ページ37)

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怖がり審神者の復讐ページ37

『清光が居ないと、死んじゃう病にかかった･･･そんな気がする』

目を擦りながら新たな廊下に辿り着くと、前方向からフラフラと歩いてくる髪の長い･･･ゾクッ。

『････････』

｢う、うぉおおおおお｣

『･･･』

覇気がない。カネさんさんだな。この声は。

『カネさんさん、髪の毛引っ張られたくなかったらそこどいて下さい』

｢う、う、うぉおおおお｣

この人諦め悪いな。諦めりゃ何もせずにしてあげられたのに。仕方が無い。

『･･････カネさんさんの嫌いなものってなんですか？』

｢うぉおおおお･･･ぉおお｣

『カエルですか？げろげーろ(棒)』

｢ぎゃあああぁぁっっ！｣

暗闇の中では見えないカエルの玩具、そして声真似。俺のカエルの声真似。この人騙されるタイプなのか？

『げろげーろ、げろげーろ(棒)』

遠くにまで響くカネさんさんの悲鳴は1分ぐらい続いた。どんだけ叫ぶねん。本丸中を走ったのかな？

『･･････主の怖がりを鍛える大会とは一体･･･』

この裏話には薄々気づいていた。言わないフリして気づいていた。

｢主･･･寝た？寝たかな･･･よし！じゃあ今からっ！主の怖がりを鍛える大会を開催しまぁぁっす！｣

｢｢うぉおおおおぉおおおおっ！！｣｣

なんて主寝てる傍でバリバリ叫ぶからバレルに決まってるよね。聞きたくなくても聞こえてきちゃうよ。
だから俺は逆襲を考えた。
私は主。ここは本丸。･･････これは怖がり主の逆襲だ！なんてカッコイイ感じで言うのはナシで。
みんな俺をただの怖がり主だと思ってるのが腹立つので逆に怖がらせてやろうと試みた。
怖がり復讐。
寝ぼけている時の俺は正直怖がらない。
血みどろ刀剣が現れた時絶叫してたじゃないか？
ノンノンノン。あれは計算外。確かに厠の帰りでも寝ぼけてましたよ？しかしな、あれは誰でも驚く。
無理がある。
あと、鶴さんが驚きを求めてきた時も。無理である。
彼は強すぎる。
彼は常に俺に驚きを求めている。では、逆に驚かせて新しい発見をしてもらおうじゃないか！
ついでにみんなにも楽しんでもらおう。そう考えたのがこの、主の復讐である。

正直、めちゃ楽しいのが今現状。カネさんさんの反応面白すぎた。