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主、壊れました ページ15

夜中、午前二時頃だろうか。
俺は厠(トイレ)から清光部屋に帰るため独りロウソクを手に歩いていた。

元にいた世界では夜中家の中歩く時は全ての電気をつけていたのだが・・・。階段、風呂、部屋。全てに置いて電気代を使っていた。

でも、この本丸は真っ暗。すんげー怖い。お化け絶対出るだろ。ここ、俺の中ではお化け屋敷本丸と呼んでいる。

「カネさん・・・・・・カネさん・・・どこ?」

小さな声とびちゃ・・・びちゃ・・・と少しずつ近づいてくる足音。
カネさんって何?金さん?

「国広ォ・・・何処だ?俺がお前を・・・・・・護ってやるからなぁ・・・」

何だろう。この2人迷子なのか。でも、その足音は俺に向かっている。
その時、不思議とロウソクが弱まった。

『ちゃ、ちゃちゃちゃーん!ちゃちゃちゃーん!ちゃちゃちゃーん!ちゃちゃちゃーん!ちゃちゃちゃーん!ちゃんちゃんちゃーん!』

俺はパニックになってポケモン映画CMの音楽を全力で歌い出した。ミュウツーの逆襲ならぬ二振りの逆襲。真夜中に歌いだしているので五月蝿いだろうが勘弁してくれ。俺が今危険なんだ!

「「み〜つけた・・・」」

『のぉぉぉうううううあぉああああああっ!』

俺は前後に挟まれてしまった。前は「カネさん」と呼んでいた人。後ろは・・・・・・後ろは・・・。

長い髪の毛が俺の首にサワリする。

『ふぉおおっ!やめておくんなんし!わっちはわっちはァァァ』

「国広ォ・・・」

『貴様如きが・・・死に晒せぇぇぇっ!』

「カネさん・・・!」

『アッハッハッハッハッ!ふぉおおっ!ひーっひっひっひっ!』

もう恐怖を笑いでぶっ飛ばそうとする。俺もうおかしい。怖すぎて可笑しくなってる。壊れたな。遂に。国広さんとカネさんの感動の再会をぶち壊しているようだけれど。

「な、なんの騒ぎ?」

「あ、加州さん・・・」

「手入れしてから話そうか。その格好だと主が怖がる」

「はぁ?コイツ、審神者なのか?」

『出会いぃはっ!億千万のォッ胸騒っぎィィィ!』

「・・・・・・この人が新しい主さん・・・」

「壊れてんな・・・」

「主もう辞めて!大丈夫だから!怖かったねよーしよし!」



手入れが終わったあとも「カネさん」と「国広さん」は俺をガン見してた。

カネさんさん→←近侍清光



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作者名:のろすけ | 作成日時:2019年7月7日 21時

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