水色お兄さん強し ページ8
『なんでついてきたんですか？』
｢えっ、何でって･･･｣
俺はチラ見をしたはずなのに何故か短刀さん達は半べそかきながら俺を見た。
『いや、良いです。泣かないで？ごめんなさい。後で一緒に遊びませんか？』
短刀さん達は遊ぶのが好きと聞いた。清光から。
後でみんなでマリオでもするか･･･と思っていたら。
手入れ部屋に響く怒鳴り声が聞こえた。
｢弟達に変なことを吹き込むな！審神者如きが！｣
『えっえっ･･･？』
｢私は人間である審神者に気安く話しかけないで頂きたい！｣
『ひっ･･･』
水色お兄さんは俺に刃を突き立て、しかも軽く腕を斬った。飛び散る鮮血に弟達は身を引き俺に刃を向けた。
『いや、･･･そう言って神様は俺を殺すんだ？へぇ･･･何も知らない無理やり連れてこられた審神者を殺すんだ？』
｢何をほざいている！貴様は前審神者と同じ人間であろうが！｣
『人間だから殺すの？みんな審神者になったら殺すの？なんで？嫌い？そんなに俺が』
｢貴様は所詮使えない審神者だ！殺しても何も残らないだろう！｣
『つか、･･････つかえ、使えない？』
ほろほろと急に涙が出てきて短刀さん達はぎょっとする。
｢い、いち兄･･･それは流石に言い過ぎじゃないか？｣
｢私はお前達を守る為に本当の事を言っただけだ｣
『つか、使えない･･･』
俺はクラクラとした足取りで壁にもたれ掛かり頭を抱える。
頭をグルグル回転する言葉。その言葉は俺にダメージヲ与える。
そして･･･。
チーン。ｶﾝｶﾝｶﾝ！見事(俺が)KO！
水色お兄さん怖し、強し。
『うっうっ･･････』
｢泣かせる気ないって言ってた人に泣かせてどーすんだよ、いち兄｣
｢はっ！弟達に言われてしまうとは･････えと、審神者殿。こ、この度は申し訳ない。少しカッとなっｰｰ｣
『何処が少しなんですか･･･』
俺は手伝い札をパンパンパンパーン！とそこにいる前振りに向けて投げつけた。そんで勢い良く手入れ部屋から出て逃げた。
｢え、ちょ･･････！｣
･･････悪気はないが放置してしまった。しかし“使えない審神者”とは如何なものか。半べそかきながら縁側に座っているとｰｰｰｰｰｰ。
｢見つけましたよ、主♡｣
と肩に手を置かれる。その瞬間涙は引っ込んで代わりにゾワゾワゾワという怖気に襲われた。振り向きたくても振り向けない。
｢どうされました？主♡｣
肩を握る力が強くなる。怖い。うご、動けない。
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作者名：のろすけ | 作成日時：2019年7月7日 21時
