初!手入れ部屋 ページ5
ふわふわと当たる布。目を覚ますとそこは小さな人が何人かいる部屋だった。
「あ、起きた」
さっきの赤い服の人が此方を見てホッとしていた。
「いきなり後ろに倒れて気絶するからびびったよ」
『・・・・・・失礼ですがどなたですか?』
相手と話すためにはまず名前が必要だ。この人の名前聞いてココは何なのか問おう。
「俺は加州清光。川の下の子ってね」
川の下の子・・・カエル?とかよくわかんないことを考えながら『加州・・・さん』なんて言葉を発しると「何?」と帰ってくる。
『えと、ここは・・・?』
「手入れ部屋だよ。あんた、血が苦手っぽいから俺を綺麗にして貰おうと思って。そうすれば綺麗な俺が見れるし」
『き、綺麗にする?どうやって?』
「それはこんのすけが説明致します!!」
ドロンと先程までいなかったこんのすけがいきなり出てきて俺は叫ぶ。
『うぎゃァァァァァァァァァっ!』
「うわ、凄い」
「申し訳御座いません。審神者様ァァァ」
『いき、いきなり現れんなって言ったよね?』
「1回も仰られておりません!」
『んじゃ今言った!絶対急に!現れんな!マジで!俺の心臓止まる!』
俺はガクガクしながら加州さんの後ろに隠れる。
隠れる所が無いのだ。
「せ、説明を致します。加州様の傷を癒すのにはこの道具を使って行います。ですがァ!な、なんとォ!!!『ぎゃぁぁぁっ!』手伝い札をご用意しました!」
な、なんとォ!って・・・叫ぶなって言うたやろ!半泣き状態で俺は加州さんの腕を掴む。なんかネチョリってなんか触ったけどもう知らん!
「主、大丈夫?」
半泣き状態で顔を上げるといつの間にかblood《血》は消えていて。優しいお兄さんになっていた。
『か、加州・・・さん?』
「もー、加州さんとか距離がありすぎて嫌だから。清光って呼んでよ主」
『あ、あるじ?あ、はい』
何この距離感。清光お兄さんは手元にある鞘に刀をしまって放心状態の俺を撫でた。
『ね、何それ・・・』
指を指すのはアレである。
「俺の本体・・・だけど?俺達は刀剣だからね」
『とうけ・・・』
何故か血のついた刀が。玄関にいた清光が持っていたあの刀がフラッシュバックしてきて。
俺は、またもや気絶した。
「あ、主?!」
「審神者様ァァァ?!」
最後に聞こえたのは1人と1匹の声だけだった。
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作者名:のろすけ | 作成日時:2019年7月7日 21時