人としての罪悪感 ページ20
もう夕方になり、部屋の外は夕日の綺麗な色一面になっていた。熱も下がり、今は1人で静かに過ごしている。
『・・・・・・・・・』
宴会やるから来いよなんて言ってきた馬鹿隊士に丁重に断って今に至る。布団の中で報告書をゆっくりまとめる。今日行った事・・・って言っても熱で倒れた位しかないな。
明日は俺の命日。有給オマケで2日も貰ったので歩いて向かおうと思う。
『・・・・・・さて、準備しよう』
野宿で行くための用意と多少のお金。そんなに遠くない武州だけど、その位はいるのだと思う。
「な、にひてるんでい・・・ひっく」 訳:何してるんですか
『・・・・・・・・明日の支度だよ』
「どこ、ひくんでぃ」訳:どこ行くんですか
『・・・・・・自分のお墓・・・』
「げんひも・・・ひっく・・・墓っひっ、あるんだねィ」
訳:現次もお墓あるんですね
『・・・・・・そりゃ死んでるからね』
「・・・ずっふぉ、いきへるもんはっと・・・思ってやしたぜっひゅ」
訳:ずっと生きてるもんだと思ってました
『・・・・・・・・・生きてなんかないよ』
「じっひゃい、っもあれば・・・ひっく・・・普通にっ、おれふぁと・・・せ、かつ・・・してふし・・・ひっく」
訳:実体もあれば普通に俺達と生活してるし
「お、め・・・ホントは・・・・・・にんげ・・・」
『・・・・・・・・・!』
「・・・なんでィ」
俺は無意識にお兄の胸倉を掴んでいた。確かに人の生活に憧れて同じように生活していた。でも、何処かで、俺が「人」と扱われる事で家族に罪悪感を覚える様になってしまっていた。
俺がしっかりしていないせいで。
俺があの時もっと力があれば・・・。
そう思うと胸の奥底が酷く傷んだ。
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Lime(プロフ) - 【死神くんは真選組】めっちゃ面白いです!主人公の過去とかもしっかりしてるし想像力豊か!!僕原作沿いの小説苦手で非原作沿い漁ってたんですけどとてもいい作品に出会えました!!更新ゆっくりでいいので待ってます! (2022年7月5日 22時) (レス) @page48 id: 9dc1bcf53d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のろすけ | 作成日時:2019年6月17日 19時