傷跡 ページ4
沖田side
｢やっぱり醜いだろ？ほら！笑えよ！｣
なんて言うけど俺にはあまり聞こえてなかった。
美しく紅いその瞳は俺をじっと見つめていた。
『可愛い･･･』
｢は？！｣
なんかほっぺをつまみたくなってむんずとほっぺを掴む。
むにむに、ぐいっ･･･。
｢ふぁっ、むな、むなんだよ！｣
恐らく｢何だよ｣と言ったのだろう。けど一瞬ムハンマドって聞こえた。確実に。弾力が凄いもちもち肌を堪能する俺。
『････可哀想にねィ･･俺がいたら助けてやったんだろうな』
｢･･････｣
肩をガブリと噛み付けば現次は俺の頭を撫でた。この傷跡も、全て無くなればいいのに･･･。
俺はほっぺをむにむにしながら肩に、首元に噛み付くとペシりと叩かれた。
｢どっちかにして？｣
仕方ないので首元を噛み付く方を選んだ俺は更に噛み付く。
『･･････なんでこんな布つけてたんでさ』
｢お前の顔は醜いって言われたから？｣
『なんで疑問形なんでィw』
｢良くんかんないんだ。でも母上はこの布がなかったら殴ってたんだと思う。布があったこそ醜い俺の顔が見えなくて顔は狙われてないんだと思う｣
俺は無数の傷跡を触る。鞭や、火傷のあとが酷い。俺の指先で軽く押すと｢それ、根性焼き｣なんて説明された。
｢それは、焼印。それ？それはねぇ･･･ペンチで軽く･･･痛くないよ｣
『･････････』
俺はもう触らないようにした。痛々しい。仕方ないから首元を甘噛みする。
｢お兄、そこ好きだね･･･オオカミみたい｣
『美味いから･･･』
逆上せてきたのか、ゆっくりのスピードで話す現次は顔を赤らめて･･･逆上せているから赤いのか･･･？俺にゆっくり噛み付いた。甘噛みの甘噛みで。優しく優しく噛み付く現次の髪の毛を優しく撫でる。
｢････････････おい、てめーら。何してんだ？｣
｢！？｣
『ひ、ひじっ、土方コノヤロォォオォォオ！』
ドガァァァンといきなり鳴り出す爆発音と悲鳴。
飛ばされた人物は煙とともに消えていった。
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作者名：のろすけ | 作成日時：2019年6月9日 22時
