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優しさか牙かどっちかがいい ページ24

土方side

現次の部屋は固く閉められていて本当に誰も入れないつもりだ。二番隊の隊士達も書類が出せなくて困っている。

『おい、開けろ現次、お客さんだぞ』

「・・・・・・・・・・・・・・・」

ある意味現次の部屋の訪問者である俺達は開かない襖の端をドンドン叩く。

「・・・・・・・・・・・・書類だけ持って土方さんだけ来てください」

おいトシ兄はどうした。何時も「トシ兄〜♪」と可愛く呼んでくれるのに。土方さんって、随分と他人行儀だな。

『あぁ・・・』

僅かに開く戸をゆっくり開けて入ると。部屋の本当に隅っこで顔を下に向けたまま、毛布を被り体育座りしている奴がいた。耳を塞いで頭を護っていた。
俺には奴が喧嘩嫌いというのがわかる気がする。
あんなに温厚な野郎がここまで誰かを触れさせないようにするのだ。

「・・・・・・土方さん、なんで人は喧嘩するのでしょうか」

『ん”ッ??・・・そ、それはだな・・・』

「・・・・・・」

『お互いの気持ちがぶつかり合うからだ』

「・・・・・・そう、ですか」

いきなり質問された俺は変な声を出して書類を机に置く。そうして、現次のそばに居き完全防御状態の頭を優しく撫でてやる。

『・・・・・・喧嘩、初めて見たのか?』

「・・・・・・いえ、喧嘩は何回でも。直ぐに止めました。俺は個人の争いは止めるタイプなので・・・・・・」

『・・・・・・そりゃ喧嘩しねーほうがいいもんな』

「・・・・・・あと、怖かったんです」

『何が?』

「喧嘩している2人の顔が怖くて、特に総悟なんて・・・何時もは優しいのにあの子の前だと急に顔が怖くなる。あの子もあの子で真選組の事税金泥棒って言うし、総悟が来た瞬間に顔を変えるし・・・」

『・・・・・・』

「・・・・・・まるで母上みたいだ・・・」

『・・・・・・』

「俺には何時もキツイのに外では猫を被って俺を褒め称える。その逆ですね・・・俺には何時も優しいのに、騙してたんですね。だから嫌なんです。本性見た瞬間に怒りました。」

俺はそういう人とは口を聞きません。とキッパリ言う野郎は少し涙目で何かを失った様に顔をこちらに向けていた。

「・・俺に優しくしたのは嘘だったんですかね。あの子に向ける牙が本性なら優しさは要らない」

『大事な弟だから牙は向けられないんじゃねーのか?』

「・・・・・・大事な弟だすか・・・噛んじゃった」

『ぶっ・・・』

「・・・あ、笑いましたね?」

いい所で噛んだ現次は少し怒ってた。

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作者名:のろすけ | 作成日時:2019年6月9日 22時

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