防犯ブザー ページ20
｢いいか？なんかあった時絶対に鳴らせよ？｣
と言われた今日の見廻り出かける前。俺が1人で行くと絶対危ない目にあうということでトシ兄から手に渡されたものは。
『･･････はぁ』
引っ張ると馬鹿でかい音が出るあのブザーである。ランドセルに付けてた事1回ぐらいあるよね、のやつである。
｢防犯ブザーだ！お前は危なっかしいっぽいからな、それ鳴らしたらすぐ隊士が駆けつけるからな！｣
『逃走中かっ！』
逃走中ーーー。一時期バカみたいに人気だったリアルゲームである。あるミッションで永遠に音が鳴り響くソレを止めるために逃走者が走るとソレを聞いたハンターが皆してその逃走者目掛けて走ってくるのだ。物凄いスピードで。昔は2ヶ月に1回はやる程大人気だった。作者のろすけは戦闘中派。忍者が好き。
こんな昔話のナレーションは置いておいて、俺は叫んだ。
『バカにしてます？俺の事しっかり子供だと思ってますよね？ねぇ？！』
｢バカになんかしてねぇよ･･･。ただ、総悟に懐く所みたら餓鬼みてぇに見えた｣
『んなっ/////な、何見てるんですか？！子供扱いしないでください！』
その時、手に持っていた防犯ブザーのボタンを押してしまう。ｼﾞﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘ！と屯所中になりぴびく音。
｢おい！止めろ！電池が無くなるだろ！｣
『そっち？！』
ボタンを止めると音はやみ、その代わりその音を聞きつけた隊士達が一斉に俺達の元に来る。
｢どうしましたっ？！なんかあったんですか？！｣
大声で言われるからさっきのｼﾞﾘﾘﾘﾘﾘﾘ！のトラウマを思い出す。ﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞと走ってくる音に俺は驚き、刀と防犯ブザーを持ってその場から逃げ出した。トシ兄を置いて。
｢現次ッ･･･？！｣
勿論、隊士という黒ずくめのハンター達から逃げるため。俺は全速力で町の方に逃げる。とにかく逃げる。ハンター(隊士)に捕まらないために！
｢隊長！どうしてにげるんですかっ！！｣
｢待ってください！！隊士ォォォォ？！｣
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作者名：のろすけ | 作成日時：2019年6月9日 22時
