不味い一言は周りを凍らせる ページ13
山崎side
西野隊長は万事屋の旦那の事を知らないらしく、知らないのだろうけど。目線が旦那を釘付けにしている。
「何でも屋さん・・・ですか・・・」
「あぁ、そうだ」
「俺を・・・・・・人間にして下さい」
『はい?』
「は?」
来たーーーーーーーーーー!西野隊長のとんでもない発言きたー!オズの魔法使いか!なんかお供の木こり?か鉄の塊か、なんか言ってた気がするけどそれはないだろぉ!
「いや、あの現次・・・君?」
「何でも屋なんですよね・・・出来ますよね?」
「いや、でも・・・あの・・・できる範囲とできない範囲が・・・」
旦那超テンパってる。焦って此方をチラ見する回数多ッ!口パクで「ジミー助けて」なんて言ってくるし。隊長は目を光らせて旦那を見るし・・・。
「・・・・・・・・・言ってみただけです、すみません」
「何だよ・・・ビックリさせんなよ・・・・・待て・・・あれ?」
旦那は何かに気づいたようだった。
「人間にしてくれって・・・・・・君、ふざけてんの?」
「いえ、巫山戯ておりません」
「え、だってちゃんと人間じゃん。人の形してるじゃん」
「人の形はしております。そりゃ元人ですから」
「むぎゃぁぁぁっ!ジミー助けて!お化けぇぇぇ!」
隊長の発言により一気に青ざめた旦那は俺をブンブン振り回して隊長に対抗する。これ、もう公務執行妨害・・・。
「・・・・・・お化けじゃないです」
「いーや!お化けだね!君がなんと言おうがお化けに変わりはないね!なんで成仏出来なかったの?なんでしなかったの?あれか?!なんか閻魔大王に、こう、怒られて、成仏出来なくなる・・・あれか!」
「・・・・・・はぁ」
隊長は溜息をつき、ガサゴソと胸ポケットから何やら証明書を取り出す。それには・・・。
「し、しに、死神・・・?」
「えぇ、死神です」
ニコッと笑う隊長を見てゾッとする旦那。旦那は俺に隠れて悪霊退散!だなんてブツブツ言ってるし。
「辞めて下さい。そう言うの。俺だって死にたくて死んだわけじゃない」
隊長の表情が変わり、旦那を睨む。そうだ、隊長は死にたくて死んだわけじゃなく、人としてちゃんと生きたかった・・・という事が先程の「人間にして下さい」という言葉にして言っているのだろう。
「いや、ごめん・・・睨まないで?うん、ごめん・・・そんな睨まないで・・・」
「・・・山崎さん行きましょう」
その辺に氷がビキッと張り詰めたこの空間で隊長は俺を無理やり引っ張った。
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作者名:のろすけ | 作成日時:2019年6月9日 22時