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「えぇ？アンタ気づくの遅くない？」
「いやそんなことは……」
と言いかけて口をつぐんだ。加奈子の勘が良いのを抜きにしても私はそれを気づかれたんだ。他人から見ても分かるのに自分では気づかないなんて、あまりにも滑稽で笑いが込み上げてくる。
でもそれは私だけが持つ感情。私たちは大切な仲間であって、恋愛感情なんて持つはずがない。私がつい最近までそう思っていたようにシルクもそう思っているのだろう。
「ヴェレ、飯食おうぜ」
「……うん」
今日もまたいつもと同じ言葉を交わす。普遍であり不変であるこの日常が変わることなんてないんだ。そうなんだろう？分かっているさ、そんなこと。
なんら変わりのない日々を私たちは繰り返す。小説やドラマのような劇的な変化なんてあるはずもなく、物語のモブキャラの如きごく一般的な生活を過ごしていた。
変化が訪れたのはそう。二月中旬のある日のことだった。
「……なんだこれ」
朝、いつものように重い瞼を抉じ開けながら下駄箱の扉を開くと、一通の手紙が粗雑に放り込まれていた。今日も一番の登校で周りに誰もいないことが分かっている私は盛大に言葉を漏らす。
私の名前どころか差出人の名前すら書いていない真っ白な封筒。渡す相手を間違っていたら困ると中身を確認したとき、突然目に飛び込んできたのは"付き合ってください"という文字だった。
何度確認しても渡す相手は間違いじゃない。一番上に私の名前が書いてあったのだ。これはその、アレだな。俗に言うラブレターってヤツで間違いないだろう。……いや、何故私に…………。
「なんか今日ボーッとしてるけど、大丈夫？」
もぐもぐとご飯を頬張りつつンダホが尋ねてくる。自分は普段と変わらないつもりで過ごしていたのだが皆にはお見通しだったらしい。よく観察しているなと思った。観察しているというよりはよく気がついたと言うべきか。
さすがに自分の下駄箱にいきなりラブレターが入っていたら誰だって驚くだろう。……それに、私はあの告白を受けることは出来ない。というかそもそも受ける気がない。
「いや。なんか今日手紙で告白されてさ」
なんのためらいもなくそう言ったら皆の動きが一気に止まった。まるでフリーズしたゲームの画面のように。え、私が告白されたのってそんなに驚くこと？
「へぇ、良かったじゃん。それで、どうするの？」
箸を持ったまま食べるのを一時中断して私に尋ねてくるモトキ。どうやら私の返答は皆結構気になるらしい。謎だ。
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華影(プロフ) - うさこさん» マロだけでなくコメントも有り難うございます！！そろそろ続編に参りますので、そちらもお楽しみいただけたら……！！ﾊﾞﾘﾊﾞﾘ更新していきます！！ (2019年8月8日 10時) (
レス) id: 6fa3bd1abd (このIDを非表示/違反報告)
うさこ - 日々お疲れ様です。やっと読む事が出来ました！甘くてほろ苦い、青春の1ページを覗かせていただいてる様な感覚…キュッと胸が締めつけられる…この先の2人を見守っていたい…なんて事を思いながら更新を楽しみにしております。暑いのでお体に気をつけてお過ごし下さい！ (2019年8月8日 9時) (レス) id: 37a2b7b4f4 (このIDを非表示/違反報告)
華影(プロフ) - うさこさん» いつも有り難うございます！急に不安になるときってあるじゃないですか……そんなときメンバーの優しさが染みれば良いな、と。 (2019年7月24日 18時) (レス) id: 6fa3bd1abd (このIDを非表示/違反報告)
うさこ - 日々お疲れ様です！急に不安の波に飲み込まれそうになった主人公ちゃんに、メンバーの優しさがもう…うるっときてしまいました。 (2019年7月24日 9時) (レス) id: 37a2b7b4f4 (このIDを非表示/違反報告)
華影(プロフ) - うさこさん» いつもありがとうございます！よく少女漫画とかで見るありがちな展開だとは思いますけど、彼らに沿って書けたのではないかと思っております(^∇^)徐々に更新していきます！！ (2019年7月21日 10時) (レス) id: 6fa3bd1abd (このIDを非表示/違反報告)
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