あの日 ページ5
Aside＿＿＿＿＿＿
夢を見た。それほど遠くないあの頃の夢を。忘却の彼方に連れ去られた私の記憶は、少しずつ取り戻されていく。
これは確か、あの日の＿＿＿＿＿＿
＊＊＊
「お前って思ったより騒ぐ人間だよな」
高校三年生の夏、昼休みに屋上で弁当を食べているときに、シルクロード＿＿＿＿シルクにそんなことを言われた。思ったよりとはどういうことだろうか。
「確かに。もっと地味だと思ってた」
マサイがシルクの言葉に同意する。ちょっと待ってマサイ。言いたいことは分かるけど今お前が言った言葉で地味に傷ついた。よく言われるのだけれど私はそんなに地味なのだろうか。
いつから騒ぐと思われていたのかは分からないが少なくとも高三以前ではないだろう。私がコイツらとつるむようになったのは高三からだからな。
「地味じゃないでしょ！Aはこんなに可愛いのに！」
「可愛い？コイツが！？」
ンダホが私の体をゆさゆさと揺さぶりながらそう言ってくれたのにダーマがゲラゲラと笑いながら否定してきた。可愛くないのは勿論事実なのだけれどコイツの言い方はなんか腹が立つ。別に嫌いなわけではないけど。
「あ、そう言えばさ、今日ってあれじゃない？」
モトキが思い出したように手をパンッと叩いて少し興奮気味に言った。アレって言うと最近ニュースでも話題になっているアレのことか。
「皆既月食？」
私がそう尋ねるとモトキは“うん”と頷いた。どうやら今夜は皆既月食が起こるらしく私たちの住んでいる町からも見られるようだ。
「どうする？見に行く？」
「どこに集まんだよ」
そんなモトキとシルクの会話を聞き流しつつ会話が一段落着くまで弁当を食べ進める。こういうのは誰かに決めてもらうのが一番手っ取り早い。私が口を出すようなことでもないだろう。
しばらくすると二人の会話で疑問符が少なくなってくる。どうやら話が纏まったらしく私は弁当を片付けながら結論を待った。
「今日の夜八時に学校集合な！」
結論をシルクが述べる。つまりこの八人で皆既月食を観察するということだ。受験期に何をやっているんだろうと思ったのはきっと私だけではないと思いたい。
全員集まることが出来るらしい。私だけ断るのも空気を悪くしてしまうだろうから参加することにした。楽しみにしている自分がいることもあながち否定は出来ない。
一人だけ女子で場違い感も否めないが私はこの七人が大好きだった。特に明確な理由はない。コイツらと一緒に居ると何故か安心する。それが理由と言っても良かった。
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華影(プロフ) - うさこさん» マロだけでなくコメントも有り難うございます！！そろそろ続編に参りますので、そちらもお楽しみいただけたら……！！ﾊﾞﾘﾊﾞﾘ更新していきます！！ (2019年8月8日 10時) (
レス) id: 6fa3bd1abd (このIDを非表示/違反報告)
うさこ - 日々お疲れ様です。やっと読む事が出来ました！甘くてほろ苦い、青春の1ページを覗かせていただいてる様な感覚…キュッと胸が締めつけられる…この先の2人を見守っていたい…なんて事を思いながら更新を楽しみにしております。暑いのでお体に気をつけてお過ごし下さい！ (2019年8月8日 9時) (レス) id: 37a2b7b4f4 (このIDを非表示/違反報告)
華影(プロフ) - うさこさん» いつも有り難うございます！急に不安になるときってあるじゃないですか……そんなときメンバーの優しさが染みれば良いな、と。 (2019年7月24日 18時) (レス) id: 6fa3bd1abd (このIDを非表示/違反報告)
うさこ - 日々お疲れ様です！急に不安の波に飲み込まれそうになった主人公ちゃんに、メンバーの優しさがもう…うるっときてしまいました。 (2019年7月24日 9時) (レス) id: 37a2b7b4f4 (このIDを非表示/違反報告)
華影(プロフ) - うさこさん» いつもありがとうございます！よく少女漫画とかで見るありがちな展開だとは思いますけど、彼らに沿って書けたのではないかと思っております(^∇^)徐々に更新していきます！！ (2019年7月21日 10時) (レス) id: 6fa3bd1abd (このIDを非表示/違反報告)
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