黒尾「研磨も健全な高校生ですよ？」【孤爪研磨】 (ページ5)

今日:13 hit、昨日:29 hit、合計:23,202 hit

視線 4 ページ5

それからの私の毎日は忙しかった。

リエーフの携帯から無理矢理仕入れた研磨先輩のアドレスに毎朝毎晩連絡をする。

朝練の時間を聞き、最寄り駅で研磨先輩を待ち伏せ、一緒に登校。

夕方の部活にはリエーフと駆け込み、研磨先輩を眺め、一緒(半ば無理矢理)に帰宅。

友達との時間も大事だから、もう毎日充実していた。

今日も帰りのホームルーム前に鏡を見て、リップを塗り直す。

先生の話をソワソワして聞き、さぁ後は研磨先輩との時間！！

と、思っていた時だ。

黒尾「Aちゃ～ん、ちょっといい？」

「げ、クロ先輩」

扉にもたれかかってこっちを見ているクロ先輩に呼ばれ、私は仕方なく先輩の元へ。

とぼとぼと向かうとクロ先輩は胡散臭い笑顔を私に向けた。

黒尾「Aちゃんさぁ、マネージャーやらない？」

「えぇ、嫌ですよ…。私は研磨先輩だけの私なんですから」

黒尾「その研磨先輩を支えられる仕事なのになぁ」

話をしているとリエーフが私の横をすり抜けて走っていく。

灰羽「黒尾さん！お先に行ってますね！」

あぁ、私も早く研磨先輩の元へ…

またそわそわし始めたその時、耳元で低くて小さい声が囁いた。

・

・

・

黒尾「お前、あの時何で逃げた？」

背筋が一気に凍った。