【MHA】氷属性、被っています。６-② (ページ10)

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「ナイトアイ」

「オールマイト……」

Aの子供のようにしゃくりあげる声が響く中、オールマイトが病室に足を踏み入れる。

「…最期で、ようやく会う気に？」

「…返す言葉が見つからないよ。私は君に、ひどいことを…」

「ナイトアイ…！生きて、頑張って！」

彼に続いて入ってきたのは緑谷だった。小走りで駆け寄ってきて、Aはぼやけた視界でそれを確認する。

「随分と…かしこまってるじゃないか、私は…あなたを恨んじゃいないよ」

ずっとずっと、あなたたち2人が好きで。サーが離れた後のオールマイトは、どこかしっくりこなくて。

ずっと望んでいた2人の姿を、話している光景をこんな時に見れるなんて。よりによってこんな時に。
こんなの、苦しすぎる。

「あなたに幸せになってほしかっただけだから、あらがうと決めてくれたなら…」
「君もあらがってくれ、私にこれまでの償いをさせてくれ…！」

『オールマイト、ッ…！』

「つぐないなど…あなたが殺される未来を変えたくて、変えすべを探ってきた」

ずっと、どうにもならなかった。

見た未来は変わらない。未来を見れば最後、その人の人生までも決めてしまう。

「だが、緑谷が今日見せてくれた…思うに、エネルギーなんじゃないかと思うんだ、
疑念の入る余地のない強いビジョン、未来を望むエネルギー…きっと、緑谷だけじゃない、みんなが強く信じ、紡いだ…そのエネルギーが、緑谷に収束され放たれた結果、なんじゃないか」

『…』

「未来は不確かで、あなたは考えを改めてくれた…私はそれで十分…」

どうしようもなく、涙が溢れて止まらない。

そんなAの顔を見て、彼女のまだまだ小さな頭に震える手を乗せる。

「この子も、大きくなってくれて…私たちを見て、ヒーローを目指してくれた、しかも少しの間同じ事務所で…こんなに嬉しいことがあるだろうか」

「……そうだね、」

『サー…』

「ただ、心残りは…」

「…先輩、」

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