【MHA】氷属性、被っています。６-② (ページ1)

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誰か、助けて。ページ1

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関わらなければ、夢にかかったままでいられた

「失ってなお粘って、そしてその結果が仲間を巻き込み、全員死ぬだけなんてな！！」

オーバーホールの大きく変化した腕が、地面を抉ってAたちの方に作り出した岩で攻撃する。

「……A、！」

『ごめん、サー』

ここで行かなきゃ、自分が許せなくなる。ヒーローでもなくなる。

だからごめんサー。皆、私に守らせて。

「…ッチ、」

防御壁だけでなく、攻撃も一緒に。

巨大な氷がオーバーホールを攻撃し、そうして彼は舌打ちをする。そして、Aは目線を横にずらした。

続けて攻撃するのはデク。彼の方が戦闘力が高いのは誰の目を見ても明らかである。
彼の邪魔にならないようにAも移動しながら攻撃していく。

「こいつの相手は私がする！」
「させるか」
『…サー、』

「2人はルミリオンと壊理ちゃんを！」

「了解です！」
『…は、い』

ああ、お願いだからどうか無事でいて。

どうしようもないほど嫌な予感がする。胃痛がする。

…ほんとに、無事でいて。

そんなことを思いながら、Aはルミリオンの方へと向かった。

『壊理ちゃん、先輩…！』

「大丈夫ですか、動けますか！？」

「余裕…だよね、」

壊理ちゃんの握りしめた両手は震えている。

そんな彼女の手を包み込んで、Aはぎこちない笑顔を浮かべた。

「結局…悲しませてしまった」

「……移動します」

緑谷が壁を壊して逃げ道を確保する。
そんな中、Aは上の空でルミリオンの背中を見つめていた。

「…もう、いいです」

だから、彼女の言葉に、涙に。意識を戻され、息を呑んだ。

「ごめんなさい、」

そんな彼女を見ていられなくて、ふと後ろを向いた。

なぜ後ろだったのかはわからない。本能的なものなのかもしれない。

鮮血が舞った。嫌な音がした。

涙に濡れた目が、大きく見開かれた。同時に、彼女の右手が動いた。

『……ッ、』

どうか、夢であって。

お願いだから、誰か嘘だと言って。

誰か、たすけて。

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