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ピンポーン

壮真がインターホンを押して数秒後、扉が開くと、そこには見知った顔がいた。


「あれ!ふたりで来たの?ほんといつも一緒だね」
「すみません突然お邪魔して」
「大丈夫大丈夫、ちょっと待っててね」


そう言うと、彼女は一度奥に戻り、手に一升瓶を抱えて戻ってきた。


「これですか?」
「そう!1人じゃさすがに多くてさ」
「なにこれ取りに来たの?」


壮真にそう問いかける。


「え、何長岡くん知らないでここまで来たの?」
「壮真がいきなり出かけるとか言うから…」
「それでも行先くらい聞くでしょ!本当にいつも一緒なんだね笑」


Aに可笑しそうにそう言われて、確かに行先くらい普通聞くよなと思った。
俺、壮真に対して色々ガバガバすぎるな…


「そのことなんですけど、Aさんがよかったらお家お邪魔して飲んでもいいですか?」
「は?壮真?」
「え、今から?いいよ!飲も飲も!」


壮真の突然の提案に驚いていると、あれよあれよと家にあげられる。


「待ってて〜今おつまみ何か作るね!あ、グラスはそこ!」
「すみません、ありがとうございます」


壮真がそう言いながら、食器棚に手を伸ばす。
そのまま3人分のグラスを用意すると、テーブルの前に腰かけた。

え、なんで、なんでこんなに壮真はAん家で酒盛りする気満々なの?


訝しげに壮真の方を見るが、その表情はいつもと変わらない。
壮真が何を考えてるか全く分からねぇ………


でも、壮真が女性に対してここまで行動力を発揮するのを初めて見た気がする。

もしかして、壮真、こいつのこと…?


『まぁ俺も俺のこと好きな女性には興味ないですけど、俺のことよく知らない人なら構わないっていうか』

『素敵な方だと思いますよ?溌剌としてるし裏表とか無さそうだし…やっぱ俺たちのこと知らなかったから色眼鏡で見られないってのが有難いです』


壮真の言葉を思い出す。
確かに印象良さそうだったよな…


いやでもさすがに好きなやつできたら俺には教えてくれるよな…?
俺に言わないってことは自分でも気づいてないとかそういうことか…?


「秀樹さん、秀樹さーん」
「おわっ、なに」


そんなことを考えていると、壮真がこちらを覗き込むようにして顔を伺ってくる。


「お待たせ〜ってどうしたのふたりとも笑」
「いやなんか秀樹さんがぼーっとしてたので」


いや、お前の行動が謎すぎて考え込んでたんだよ…とは言えなかった。
 
 
 
 
 

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作者名:星見杏世 | 作成日時:2023年10月8日 3時

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