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「オフだったらな！」
「オフでしょ。秀樹さんもフェニックス終わってるし」
「あそっか練習とかあるか。まぁ暇だったらおいでよ！日付と学校の場所、あとで連絡する…って連絡先交換してなかったか」
そこまで言うと、何か思い出したようにあ。と彼女が呟いた。
「もしかして、一般人と連絡先交換とかしちゃだめな感じ…？」
「いやさすがにその辺は個人の判断に委ねられてるので大丈夫ですよ笑」
真剣な顔で聞いてくるAに壮真が笑いながら答える。
「ぜってー漏らすなよ」
「しないよ！？個人情報だよ！？」
「冗談だよ」
「わ、秀樹さんひどーい」
「ね、ひどーい」
くすくすと笑う壮真とAを呆れ顔で見つめる。
こいつら…
「あ、Aさん今日は時間大丈夫ですか？」
「！！あんまり大丈夫じゃない！内山くんありがとう！！」
「バイト？」
「んーん！今日はこのあと学校！」
「結構忙しいんですね、学校頑張ってください」
「ありがと〜〜ふたりも練習？頑張ってね！」
そのままふたりで彼女の背中を見送る。
榛葉A…
手の中のスマホのその名前を反芻する。
変な知り合いができたなと思った。
・・・
Aと連絡先を交換して少し経ったある日、寮の共有スペースに見慣れた背中を見つけて声を掛けた。
「そーま、何見てんの」
「わ、秀樹さん。これですAさんから送られてきた振り付け動画」
「え、壮真あいつと連絡とってるの！？」
「連絡先交換したんだから別におかしくないでしょ」
壮真があっけらかんとしながらそう呟く。
俺はまったく連絡をとっていなかったので予想外だった。
「いやそうだけど…え、なに話してんの？」
「ほかにもEXILEの曲使うっていうからいろいろ聞いてたんです。学祭楽しみだなぁ」
「楽しみなの…？」
「楽しみじゃないんですか？高卒の俺らからしたら大学の学祭ちょっと憧れません？」
まぁたしかに憧れはなくはないけど…と思いつつ、壮真がそこまで楽しみにしていたのは驚きだった。
「なんか意外。壮真が楽しそうに女とやり取りしてるなんて」
「女って…まぁ俺も俺のこと好きな女性には興味ないですけど、俺のことよく知らない人なら構わないっていうか」
「…。壮真ってさ…」
「なんですか？」
「ちょっと面倒な性格してるよな」
俺が覗き込むようにそう言うと、褒めてもなにも出ませんよ？と壮真が笑った。
褒めてねぇよ…。
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作者名：星見杏世 | 作成日時：2023年10月8日 3時
