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〜♪
寮の近くを走り込みしていた最中、聞き覚えのある音に足を止める。
「Heads or Tails…」
俺が登場曲にしている曲だ。
どこから聞こえてくるんだろう……
「秀樹さん？どうしたんですか？」
少し先を走っていた壮真がこちらを振り返って立ち止まる。
「いや、ほら……」
こちらに向かって歩いてくる壮真に、曲が聞こえてくる旨を話す。
「ほんとだ。あっちの土手の方じゃないですか？行ってみます？」
壮真にそう言われ、ふたりで土手の方に歩いていく。
曲は河川敷の方から聞こえてくるらしい。
「あ、秀樹さんあそこ」
壮真が指を指す先に、橋の下で一人踊る女の子の姿があった。
「あー！またミスった！！やり直し！」
カラン…
「！？」
突然大声を上げる女の子に驚いて、足元にあった空き缶を蹴ってしまう。
その音で女の子がこちらを振り返った。
「え、なに…なんですか…？」
「え、いやえっとその…」
「すみません俺たち怪しいものじゃなくて。よく知った曲が流れてたから気になっちゃって」
俺があわあわしてる間に壮真がそう説明する。
本当によくできた後輩だなと思う。
「あーなるほど！すみませんたまに変なおじに撮られてたりするから警戒しちゃって…ごめんね？」
女の子はそう言って両手を合わせてウインクしごめんねのポーズを取った。
「てか家帰らなくて大丈夫？もう22時だよ？」
うん…？これはもしかすると………
「いや俺「大丈夫ですよ。こう見えても俺たち成人済なんで」」
俺の言葉を遮って壮真が告げる。
すると女の子は驚いたような表情をして、そうなの！？と叫んだ。
「ごめんてっきり高校生かと…じゃあ私と同じくらいかな？私22なんだけど……」
「なんだよ同い年じゃん」
「俺21なんで一個下です」
同い年に高校生扱いされたのが悔しくて、ちょっと愛想なく答える。
「えー！君タメ！？名前は？私榛葉麗華！よろしくね！」
そう勢いよく手を差し出される。
その手を取ろうか迷っていると、横から白い手がスっと伸びてきて、彼女の手を取った。
「俺、内山壮真って言います。この人は長岡秀樹。よろしくお願いします」
「あっおい壮真」
「ほ〜、内山くんに長岡くん！ここで会ったのも何かの縁だと思うんだよね〜だからよろしく！」
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作者名：星見杏世 | 作成日時：2023年10月8日 3時
