3話 ページ3
彼との食事も終えて、私達は死神としての仕事を始める
「ヒッ！！命だけはッ！！」
そう言って後ずさる私達の目の前にいる一人の男は、今回の仕事のターゲット
「それは無理な話だなァ？死神がそんな願いを叶えると思うかァ？」
ニヤリと笑い、ケタケタ笑う彼はゆっくりと背中にある鎌に手を掛ける
「安心しろ、一瞬で終わらせてやるからよぉ」
その言葉に男は真っ青になり、慌てて逃げ出す
だが、彼が逃すはずもなくて
「誰か助けッ…」
そう言い終わる前に男の首に赤い線が描かれ、男はそのまま動かなくなった
「チッ…いつもこの仕事は胸糞悪いな…
だが今日はこれでノルマは達成しただろ。
…A、後は頼んだぞ」
そう言い残し、スタスタと歩き出す彼
だが、心無しか彼の後ろ姿はウキウキとしていた
その理由はきっと今日もあの場所で"あの子"に会うからだろう
彼はいつもそうだ、仕事を終えると必ずあの子に会いに行く
そんな彼を横目に見ながら私は男の魂を回収する
すると無残な男の死体はボロボロになって塵になり、跡形もなく消えていく
その光景を最後まで見届け、私は魂を鞄の中に入れた
私はこの魂を片付けよう…
そして私は彼と逆の方向に歩き出す
だが、少し歩いたところで体は自然と彼の方を向いていた
すると遠くで彼が楽しそうにあの子に話しかけているのが見える
そんな光景にズキッと痛む心
…もし私があの子ならどれだけ良いだろうか…
……いや、今は仕事をしないと…
そう気持ちを切り替え、私は再び歩き出した
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作者名：Omiso
| 作成日時：2018年6月23日 21時
