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11話 ページ11
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しばらくの間、私は彼と住む家に帰っていない
帰ってしまったら、彼を見て気持ちが溢れて、自分が壊れてしまいそうで怖かった
だから帰らずに一人で当てもなくブラブラしていたところ、少し遠くの方で何かがあるのが見えた
興味本位で近づいて見るとそこには"いくつもの"血だらけの死体があった
その死体には深い傷が残っている
「この傷痕は…13の鎌でやったもの…」
きっと私がいない間に彼が一人で仕事をやったものだろう
けれど１日の仕事のノルマは1人で十分な筈だ
なのに、なぜ彼はこんなに沢山の…
「…ッともかく魂を回収しておこう…」
疑問を振り払うかのように、一つ一つの死体の魂を回収していく
そうすると死体は塵になり跡形もなく消え、地面には付着した血だけが生々しく残っていた
そんな地面をジッ見つめ、私はその場に立ち尽くす
悲しい気持ちも、辛い気持ちも、何一つ変わらない
彼と離れて、一人になったって心から彼は離れてくれない
だけど、そんな私の気持ちとは関係なしにきっと彼は"今"の私を必要としていないだろう
自分自身の気持ちをさらけ出し、意思を持つ人形となってしまった私は、彼が望むあの子の代わりにはもうなれなくなってしまったから…
「…ッ私はこれからどうするべきなの…？」
そんな事を言ったところで返事が返ってくるはずもなく、どうしようもない気持ちに駆られ、早くこの場から離れようと足を踏み出そうとしたその時
「A…？」
背後から愛しい彼の声が聞こえた
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作者名：Omiso
| 作成日時：2018年6月23日 21時
