来世の願い事【サーティーン】 (ページ3)

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3話ページ3

「私がもし生まれ変わったら病気もなくて、友達も沢山居て、元気一杯な女の子になりたいです」

そう切なく笑うお前は綺麗だ

こんな風に思う俺は場違いなんだろう

だが、思わずにはいられない程
本当に綺麗なんだ

俺はお前の魂を奪い、一生俺の物にするつもりだった

だが、そんな顔で見つめられると出来るわけが無い

「泣くなよ…綺麗な顔が台無しぜ？」

ポロポロと零れていく涙を指ですくい上げる

「そんな事思ってない癖に…」

歪んだ顔で俺を見るお前はもう限界なんだろう

「魂を奪いに私の元へ現れたんでしょう？もう寿命が今日までって事も自分でも分かる…さぁ、魂を奪って…」

あー、この時が来たのか

俺がずっと待ち望んでいた日が

やっと…やっと…

「ッなんで死神さんが泣いてるの？」

「…何でだろうなッ…分かんねぇーよ…」

来世のお前はきっと幸せだろう

暖かい家庭に産まれて、沢山の友達に囲まれ、病気にかかる事もなく幸せに暮らしていける

そんな来世に…

「お前が幸せな事を願い続ける」

バッと女の顔に手を伸ばす

最初に出会った時と同じように

だが、最初と違う事は命を奪うわけでもない

お前の望みを叶えるために…

輝き出して消えていく俺の愛しい人

本当にこれでよかったのか

いや、後悔はない

だが、これだけは言わせてくれ

「お前をいつまでも愛してる」

目を見開き此方を見るお前

必死に俺に手を伸ばし掴もうとする

俺はその姿をただ見つめるだけだった