８話・カートリッジ ページ9
昨日交わした少女との約束。
その約束を果たすため子ども部屋に向かう。だが、その途中で私を待っていたかのようにボンドルドがいた。
「A、今日は子ども部屋ではないところで仕事をしてもらいますのでどうぞこちらへ」
そう言って歩き出すボンドルドに首を傾げながらもついて行く。もしかすると、あの子の世話をする場所が変わったのかもしれない。
しかし、子どもの部屋にふさわしくないような実験棟の方向へ進んでいき、徐々に不安が募っていく。一体どこに向かわされているのか。
そんなAに追い打ちをかけるようにボンドルドはひどく穏やかな声で言い放った。
「今まであの子のお世話をしてくださってありがとうございます」
まるでもう世話はしなくてもいいという言い草に一気に胸がざわつく。
「そのお礼としてぜひこれを受け取ってください」
渡されたのは両手で抱えられるほどの真っ黒な四角いケース。ただのケースかと思いきや妙に…生暖かい。
「えっと…これは一体？」
そう聞けば、たどり着いた目の前の扉をボンドルドはゆっくりと開けた。その先の光景を見て愕然とした。
部屋の床には大量の血が飛び散って、壁に立てかけられている様々な拷問道具のようなもの。そして、中心にある手術代のうえには…
「なんで…ッ…」
小さな手足が乱雑に置かれ、一番前に横たわっていた生首が瞳孔をかっぴらいて怒りと悲しみの入り混じったぐちゃぐちゃな表情でこちらを見ていた。当然だが、その瞳には光は宿っていない。
そう、あらゆるところを切断され、全てを解剖され尽くした…あの子の姿があったのだ。
「祈手志望として来てくれたキミなら事前に知っているかと思いますが、上昇負荷を無くすカートリッジの存在はご存知ですよね？ここはそれを作る場所です」
「…カートリッジ？」
「えぇ。子どもたちの不必要な部分を全て削ぎ落として箱に詰める。それを私たちが背負うことで受けるはずの呪いを肩代わりしてくれる便利な道具です。Aに渡したそのカートリッジは大切に世話をしてくれたあの子ですよ。大事に使ってあげてくださいね」
腕に抱えたそれに視線を落とす。その途端に自身の手がガタガタと震え始めて、全身からブワリと汗が吹き出した。
ここでやっと全ての現状を頭が理解し始めたのだ。
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ヨモギ餅 - メイドインアビスで1番好きなキャラが黎明卿なので楽しく読ませて頂きました！ほんとに面白くて一気に呼んじゃいました!! (9月18日 23時) (
レス) @page25 id: ba2b3def77 (このIDを非表示/違反報告)
P様さん - 最近ボ��を知って夢探して読んだんですがめちゃくちゃ面白かったです!!こんな面白い作品書いてる人は誰だろう……と思って見たらOmiso様~!!!素晴らしい!!これを期にOmiso様の他の夢小説も読んで見る事にします!! (2023年3月30日 22時) (レス) @page25 id: fd9e8b1b91 (このIDを非表示/違反報告)
円陣はずれ - 度し難い、、が、黎明卿の女体化は少し興味あr(( それとグェイラァァァァ‼︎ (2023年1月7日 23時) (レス) @page25 id: dd75b894fb (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - 紅葉夜月さん» コメントありがとうございます！ボンドルドのヤバさを全て出し切りました(笑)グェイラとの関係まで褒めて下さってとても嬉しいです！度し難いボンドルドを最後まで堪能して下さりありがとうございました！ (2022年10月17日 21時) (レス) id: 6bf568ad42 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉夜月(プロフ) - ボンドルド卿のヤバさも素晴らしさも全て表現されていて最高でした………！！！夢主を手に入れるためなら暴力も厭わないところやグェイラとの関係も最高です！！ (2022年10月17日 20時) (レス) @page25 id: ad75ac515c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Omiso
| 作成日時：2022年7月17日 0時
