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33話 ページ33

ポロポロと勝手に溢れ出す涙。すると、目の前の男は嬉しそうに笑う。
 

「たまらねぇーなぁ゛…ッ…そのまま絶望して死ね。これでやっとオレのリベンジは終わりだ。死体はそうだなぁ…ホルマリン漬けにしてオレの部屋に飾ってやるよ。お前の死んだ姿をこの目にずっと焼き付けられるように。素敵だろぉ?」


スルリと頬を撫でる手は後頭部に添えられてそのまま抱きしめられる。そして、片手に持った銃口を心臓部分に当てられた。


「スクラップなんてもったいねぇー。こんなこと思ったのは初めてだ。だから、安心しろ。ぐちゃぐちゃになんかしねぇーよ。綺麗まま殺して一生拝めて大事にしてやるから」


目の前には春ちゃんと呼んでいた頃のように優しく笑う表情。この笑顔を最後に死ぬんだと直感した。なんて残酷なんだろう。


「おやすみ、A」


もうどうでもよかった。今更、もう何もかもどうでもいい。諦めるように固く目を閉じた。

結局、この男に殺されるのが私の運命だったんだ。


「お父さん、お母さん…ッ…今そっちに行くから」


せめて両親がいるところへと願った。死ぬ覚悟はあった。それなのに________


突如として生きることを諦めさせてくれない声がした



「〜ッA!!!」



叫び声と同時に目の前にいた三途が吹っ飛んで体に浮遊感が襲う。


「!?…なんで…ッ…」


何故ココの腕の中に私はいるの?

貴方は私を裏切っていたんじゃないの?

どうして生きることを諦めさせてくれないの?


「絶対死なせねぇーから!!!お前を絶対に!!!」


私を抱きかかえたままココはそのまま扉を蹴って真っ白な草原の中を走り出した。

34話・特別な生も死も与えない→←32話



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Omiso(プロフ) - 十六夜夏希さん» コメントありがとうございます!好きだと言っていただけてとても嬉しく思います!また、書き終わってしばらく経った今でもこうしてコメントを頂けること幸せです!本当に最後まで読んで頂きありがとうございました! (2022年4月30日 14時) (レス) @page38 id: 6bf568ad42 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜夏希(プロフ) - マイキーが春千夜を見放す(?)のって珍しいですね!言葉では表せないくらい好きです。お疲れ様でした!! (2022年4月30日 13時) (レス) @page39 id: cc6ab814ba (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - ゆゑるさん» コメントありがとうございます!わわっ!たくさん褒めていただいてとても嬉しいです😊何より貴方様を楽しませられたことが作者にとって一番の幸せです😭本当に最後まで読んでいただきありがとうございました! (2022年4月12日 8時) (レス) id: 6bf568ad42 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゑる(プロフ) - うわぁぁぁ!!今読み終わったんですけど、最高ですっ...!作者様の表現の仕方からもう素敵でした😭めちゃくちゃ面白かったです!!!!! (2022年4月12日 1時) (レス) @page39 id: 1d05848943 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - yumuiさん» コメントありがとうございます!隠れ主人公!確かにそういった捉え方もありますね…貴方様の発想に驚かされました。作り手としてしっくりときたお言葉をいただいて嬉しく思います。最後まで読んでいただきありがとうございました! (2022年3月7日 16時) (レス) id: 6bf568ad42 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Omiso | 作成日時:2021年10月16日 17時

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