30話「お前の為ならどんなことも」 ページ31
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街は騒がしく、人々も騒がしい。
パーティー会場にから追い出された俺たちには既に情報を嗅ぎつけた記者たちによって取り囲まれていた。
その記者が持つ一本のマイクが俺に向けられる。
「キバナ選手!チャンピオンが引退とは一体どういうことでしょうか!」
「中継が途切れましたがあれは事故ですか?」
「委員長とチャンピオンは今どこに!?」
そこから次々とマイクが向けられる。
あ゛ー!うるせー!いちいち答えてられっか!今それどころじゃねぇーんだよ!
チャンピオンが引退するのは分かっていた。中継が途切れさせたのはダンデだと。だが、こうして追い出された今、Aとダンデはどこだ!?
煩わしい記者たちから目を背けるようにバッと空を見上げれば一匹のアーマーガア。あれは…空飛ぶタクシーか?しかもこのホテルの屋上から向かっている方角はバトルタワー。
!あれだ。直感だが、絶対あれにダンデとA二人が乗っている。間違いない。
「どいてくれ!!!」
取り囲む記者たちを押しのけてフライゴンを出す。
「バトルタワーまで連れていってくれ!」
ひと鳴き声したフライゴンはブワリと飛び上がり空へのぼっていく。下からは「キバナ選手!」としきりに呼ぶ多くの声に構わず飛び去った。
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バトルタワーに着いたのはいいが堂々と出口から入れそうにない。現に下を見ると多くの警備スタッフ。
ほんと一体何を考えてやがるんだ、ダンデは…ッ…。しょうがねぇー、上から突っ込むしか!!!
「フライゴン!悪いがそこを突っ込んでくれ!!!」
ガラス張りになっているところを突進する。パリィィィン!!!と勢いよく割れるガラスにシュッ!と頬が切れる感覚がしたが、気にしてられない。
ズサッと地面に降りた後、「ありがとな」とすぐにフライゴンをしまった。
「ここは」
広いバトルステージとなっていた。綺麗な星空が見える快適な場所。バトルタワーに挑戦したことがなかったからこんな所があるなんて知らなかったな。
…というよりAはどこなんだよッ!ぐるりと周りを見ていると一つの扉。あそこから出られそうだ。
そう足を一歩踏み出した時、先にギィーと扉が開いた。そこには______
「やっぱりキバナか…派手な登場の仕方だな」
敵意丸出しで此方を睨みつけるダンデの姿があった。
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Omiso(プロフ) - 天音さん» コメントありがとうございます!キバナさんだけでなく、夢主まで褒めていただいてすっごく嬉しいです!それに神作だなんて…本当に勿体無いほどの素敵な褒め言葉に感激です!本当に最後まで読んでいただきありがとうございました! (2022年5月7日 8時) (レス) id: 6bf568ad42 (このIDを非表示/違反報告)
天音 - 最高でした…!!✨とても感動しました!キバナさん カッコいい…。夢主も カッコ可愛いい…!!!神作品!! (2022年5月7日 0時) (レス) @page44 id: c80b266ed1 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - 葵さん» コメントありがとうございます!キバナのかっこよさにとても力を入れたのでそう言っていただけて嬉しいです!神作品だなんてそんな!私には勿体ないお言葉…感謝の気持ちで胸がいっぱいです!本当に最後まで読んでいただきありがとうございました! (2022年2月5日 0時) (レス) id: 6bf568ad42 (このIDを非表示/違反報告)
葵 - 自分ダンデさん推しだったけどこの作品を見てキバナさんもメッチャ好きになりました!!!これはもう神作品としか、言いようがありません!! (2022年2月4日 23時) (レス) id: 6b19049b00 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - きいさん» コメントありがとうございます!貴方様のお言葉にホッとしました。この作品を書いてよかったです!最後まで読んでいただきありがとうございました! (2022年1月3日 0時) (レス) id: 00c4677ab1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Omiso | 作成日時:2021年8月10日 1時