4話 ページ5
「Aは一年生だったよな?放課後教室まで迎えに行くから待っててくれ!」
話の流れでちゃっかり名前もクラスも聞かれてやっと私の前から去っていった二人。
だけど、その去り際にジャミルさんに至ってはフッと意地悪そうな笑みを浮かべて
「A…か。君とは長い付き合いになりそうだ」
ポンと軽く私の頭に手を乗せてとそう呟いていった。
私、この短時間でジャミルさんに目をつけられる要素なんてあったっけ?
…もしかすると珍しい女子生徒で一応あのオンボロ寮の所有権を持ってるからなのかな。
なんて一人残された中庭で頭を悩ませていると
『キーンコーンカーンコーン』
授業の始まりを告げるチャイムが鳴り響いた。
「え?!うそ!!今何時?!」
バッとスマホを取り出して画面を見てみるとお昼休みが終わり、授業がとっくに始まっている時間が表示されている。
「〜ッやっば!!」
急いでその場から駆け出して次の授業の教室へと急いだ。
___________
お昼休みのあとは散々だった。
遅れてきたことに先生に叱られる。
そして、その授業は最も私が苦手とする錬金術の授業で見事に失敗。
爆発した勢いで服は真っ黒になって着替えたのは体操服。
周りの同級生には遠目からクスクスと指をさされ笑われて…
「もうやだな」
そんなことがあってか全ての授業が終わった途端に体の力は抜けて机にベターと顔を伏せた。
今日一日全くついてないのかも知れない。
昨日フラれた彼の笑顔を見ては落ち込んで、その落ち込んでるところにスカラビア寮の二人に無理やり宴に誘われて、そのあとは授業に遅れて、失敗して…って…
そうだ、確かあの二人に 放課後迎えにいくって言われてたんだった!
と思い出したその直後に勢いよく教室のドアが開く音。
「A、いるかぁー!!迎えにきたぞ!」
大声で私を呼ぶカリムさんの声。その声に一気に私に集まる視線。
もう、あんまり目立ちたくないのに…
「いますよ!すぐ行きますから!」
サッと教科書を鞄に入れて、駆け足でドアの入り口にいるカリムさんの元へ行く
「ちょっとカリムさん!そんな大声で呼ばなくても聞こえますよ!」
「悪い悪い。大声で呼んだ方がAも気付きやすいと思って!」
ダハハと笑うカリムさんに小さくため息をつきながら ほら行きましょう と声をかけて歩き出す。
あれ?そういえば今ここにいるのはカリムさんだけ…
ジャミルさんの姿が見当たらなかった。
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Omiso(プロフ) - viviさん» コメントありがとうございます!こちらこそ素敵なコメントをいただけてとても嬉しいです!寿命が伸びた!?(笑)貴方様の生きる糧となれたのなら作者にとってこの上ない喜びです😭最後まで読んで下さりありがとうございました! (2022年12月1日 23時) (レス) id: 6bf568ad42 (このIDを非表示/違反報告)
vivi - もう素晴らしすぎてなんて言ったらいいかわからないんですが、素敵な話を書いてくださってありがとうございます!寿命が延びました・・・ (2022年11月29日 3時) (レス) @page49 id: 812c94a5c4 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - セツナさん» コメントありがとうございます!ジャミル推しちゃいますよね😊わぁ!素敵な作品だと言って下さった上に神作だなんて(照)すっごい嬉しい褒め言葉!本当にありがとうございました! (2022年2月22日 8時) (レス) id: 6bf568ad42 (このIDを非表示/違反報告)
セツナ(プロフ) - あ゛あ゛あ゛あ゛!ジャミル推しなのでこんな素敵な作品に出会えて嬉しいです!!神作ですね!? (2022年2月22日 6時) (レス) id: 2ea77c9340 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - ジャスミンさん» コメントありがとうございます!そういって頂けてとても嬉しいです!是非リクエストに応えたいのですが、今「活動休止中」ということでしばらく小説を作るつもりはないんです…またの機会によろしくお願いします! (2021年9月8日 16時) (レス) id: 00c4677ab1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Omiso | 作成日時:2020年6月27日 23時