41話 ページ41
貴方サイド
闇が晴れて着いた先は、久々のアジトだった。
「A、おかえり。どうだ、久しぶりのお前の居場所は」
スルリと私を抱きしめていた腕を離し、ドカリと椅子に座る弔。
そんな彼になにも答えずに俯いていると、
「来い、A。お前の顔を近くで見たい」
スッとこちらに手を差し伸べて、ふと微笑む彼。
その笑顔が逆に怖くて、足がすくみ動けない。
「…おい、聞こえてないのか？それとも俺がそっちにいってやろうか？」
明らかに不機嫌になった低い声。
逆らうこともできずに、ゆっくりと彼の方へ歩み、彼の前に立つ。
すると満足そうに笑い、俯く私の頬に手を滑らせて髪を耳にかけられる。
「やっぱりお前は変わらないな。俺にはさからえない。そう体に叩き込んであるから」
安心したよ といってふと手を後頭部に添えられ、グッと近づく彼の顔。
「A」
酷く優しい声で私の名前を呟いた後、そっと口を重ねられ、彼の赤い瞳が私の目を貫く。
逃さないという執着心が渦巻く威圧的な目。
その瞳に心の底から震えた。
しばらくして、満足したように目を細めた後わざとらしくリップ音を鳴らして口を離す弔。
「…おいおい、泣くなよ。そんなに泣くほど嬉しかったのか？」
悲しみか、絶望か分からない。
ただ彼に口付けをされたことに涙が止まらなかった。
「だが、お前の泣く姿は嫌いじゃない。俺のために流してくれていると思うと俺だけのモノだってあらためて感じるからな」
そう言ってニヤリと笑い、抱き寄せられる体。
私は貴方のモノなんかじゃない！！ と突き放して、彼を拒んで、この場から逃げてたらどれだけいいだろう。
だけど、それが出来ないのは彼への恐怖心だけではなくて…
「もうお前をどこにも行かせない。行こうとするのなら…」
そのおぞましい言葉と共に足を掴まれ、ボロリと崩れる音がした。
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Omiso(プロフ) - 緑の白猫さん» わわ、緑の白猫様！今作でもコメントありがとうございます！ヒロアカの小説まで読んでいただけて感激です😭かなり納得した終わり方を書けたつもりなので貴方様からの最高の褒め言葉をいただけてとても嬉しく思います！本当にありがとうございました！ (2022年2月7日 0時) (
レス) id: 6bf568ad42 (このIDを非表示/違反報告)
緑の白猫 - はっぴーえんどだ……。私が知っている作者様の中の作品で初めてみたはっぴーえんどだ……! 主人公が初めからちょっと可笑しいのがまた新しく感じ、最終的にヒーロー側につくとはまた違う、正しくはないかもしれないが幸せな道を選んだのが最高でした! (2022年2月7日 0時) (レス) @page49 id: 22cb640d25 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - あゆりさん» コメントありがとうございます！1番好きだなんて…最高の褒め言葉です！死柄木くんの沼によりハマってしまいましたか。よっし、この調子だ()本当にこの作品を読んでくださりありがとうございました！今後とも応援よろしくお願いします！ (2020年5月16日 12時) (レス) id: 47426ab442 (このIDを非表示/違反報告)
あゆり(プロフ) - 今まで読んできた作品の中で1番好きです！！Omisoさんのおかげで、もっと死柄木くんの沼にハマりました()これからも応援しています！ (2020年5月16日 11時) (レス) id: ce98ce751c (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - りんさん» コメントありがとうございます！！本当に嬉しすぎるお言葉に喜びで胸がいっぱいです！また貴方様を楽しませる作品を作れたらいいなと思います！！今後とも応援の方よろしくお願いします！！ (2020年4月3日 7時) (レス) id: 47426ab442 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Omiso
| 作成日時：2020年2月10日 22時
