15話 ページ15
「俺に話してみろよ」
私を安心させるように微笑んで、頭をそっと撫でてくれる荼毘。
そんな彼になら話していいと思い、弔と一緒に任務を同行した時の出来事、
そして、私をモノだとしてしか見てないこと全て話した。
すると、荼毘は罰が悪そうな顔をして
「…お前やっと気づいたのか、そのこと」
「え？どういう…」
「俺は前々から死柄木がお前のことを都合のいい道具としか見ていないと知っていた」
「〜ッ？！じゃあなんでいって…
くれなかったの！という前に強く抱きしめられる体。
「ッごめんな。お前がアイツのことを慕っている姿がなによりも幸せそうで言い出せなかったんだよ…」
震える声でそういって私に謝る彼。
そんな彼に責めることなんて出来ず、それどころか
荼毘は何も悪くないのに彼に当たって謝らせて…
私は一体何をしているのだろう…ッ…
と自分の心の醜さに嫌悪を抱き、そのまま彼に抱き締められ続けた。
〜〜
しばらくして、荼毘は私から離れて、
「…俺はずっと臆病だった。お前に嫌われたくないと、突き放されたくないと思って死柄木とお前が一緒にいるのを黙ってみてた」
スッと私の髪に手を伸ばし、優しく撫でられジッと見つめられる。
「だがやめたんだ。お前が知らず知らずに傷ついていく姿を見たくなかったから…」
貫く蒼い瞳。それは嘘をついているようには見えない。
「もうお前を怖がらせない。俺が側にいてやる」
約束な といって私に手を差し伸べる荼毘。
その手を振り払う理由なんてあるはずもなく、
「ッうん、約束ね！」
そう言って、彼の手をギュッと握った。
すると、彼は満足気に笑えば私の手を握り返し、
「よし、お前に言いたいことも言えたことだしその辺適当にブラブラするか」
「え？任務は？」
「んなの、嘘に決まってんだろ。お前をアイツから連れ出す口実」
悪態っぽく笑い、私の手を引っ張る荼毘。
「ッけどこのことが弔にバレたら…！」
「バレるわけねぇーだろ？それにバレたとしてももうお前には俺がいるだろ」
だから今ぐらい楽しもうぜ とらしくもなく無邪気に笑う彼に
「…ふふ。そうだね」
つられるように笑顔がいつのまにか溢れていた。
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Omiso(プロフ) - 緑の白猫さん» わわ、緑の白猫様！今作でもコメントありがとうございます！ヒロアカの小説まで読んでいただけて感激です😭かなり納得した終わり方を書けたつもりなので貴方様からの最高の褒め言葉をいただけてとても嬉しく思います！本当にありがとうございました！ (2022年2月7日 0時) (
レス) id: 6bf568ad42 (このIDを非表示/違反報告)
緑の白猫 - はっぴーえんどだ……。私が知っている作者様の中の作品で初めてみたはっぴーえんどだ……! 主人公が初めからちょっと可笑しいのがまた新しく感じ、最終的にヒーロー側につくとはまた違う、正しくはないかもしれないが幸せな道を選んだのが最高でした! (2022年2月7日 0時) (レス) @page49 id: 22cb640d25 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - あゆりさん» コメントありがとうございます！1番好きだなんて…最高の褒め言葉です！死柄木くんの沼によりハマってしまいましたか。よっし、この調子だ()本当にこの作品を読んでくださりありがとうございました！今後とも応援よろしくお願いします！ (2020年5月16日 12時) (レス) id: 47426ab442 (このIDを非表示/違反報告)
あゆり(プロフ) - 今まで読んできた作品の中で1番好きです！！Omisoさんのおかげで、もっと死柄木くんの沼にハマりました()これからも応援しています！ (2020年5月16日 11時) (レス) id: ce98ce751c (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - りんさん» コメントありがとうございます！！本当に嬉しすぎるお言葉に喜びで胸がいっぱいです！また貴方様を楽しませる作品を作れたらいいなと思います！！今後とも応援の方よろしくお願いします！！ (2020年4月3日 7時) (レス) id: 47426ab442 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Omiso
| 作成日時：2020年2月10日 22時
