42話 ページ2
「もう一度、僕の大切な人として側にいて欲しい」
夢のようなその言葉は、私の心を満たしてくれる。
私を見捨てたんだという疑いも、
疑いから生まれたやるせない憎しみも、
裏切られたんだと思い込んでいた悲しみも、
全てが浄化されていくような気持ち。
あァ、この言葉を私は何よりも待っていたんだ。
だって、そうじゃないとこんな溢れかえる幸福感に満たされることはないのだから。
「出久…もちろん…もちろん側にいるよッ！」
笑顔と共に告げると、出久はよりいっそう私を抱き締めた。
そして、出久と互いの気持ちが繋がった今、私がすべきことはただ一つ。
呆然と私たちを見る彼(荼毘)に、私の気持ちの全てを伝えなければならない。
出久からそっと離れて、荼毘と向き合いジッと見つめる。
「荼毘…私の愛する人は出久なの。だから私を組織からも…貴方からも解放して」
すると、荼毘はグシャリと顔を歪ませて
「あァ、やっぱりお前は俺よりソイツが好きなのかよ…」
「そうだよ。出久の本当の言葉、裏切られていない真実を知ったから…もう貴方の誘惑に乗りはしない」
「…」
はっきりと自分の意思を貫いて、彼から目を逸らさずに言いきった。
すると、荼毘は顔を伏せて俯いてしまった。
だけど、途端にクツクツと笑い出せば、
「だとしても俺はお前を…ッ…
手放す気なんてあるわけねぇーだろうがァァ！！！」
怒号のような叫び声と共に荼毘は周りを青い炎で囲む。
「なっ！？」
出久がその炎に気を取られた時、ガッと突然荼毘に引き寄せられて、抱き抱えられれば、
荼毘は私を出久から遠ざけるように彼の真逆の方へと走り出した。
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Omiso(プロフ) - ユリさん» 最後まで読んで下さりありがとうございました！貴方様を楽しませられたこと心から嬉しく思います！本当にありがとうございました！ (2020年9月1日 9時) (
レス) id: 9c7156f888 (このIDを非表示/違反報告)
ユリ(プロフ) - 凄く楽しかったです！ (2020年9月1日 0時) (レス) id: a96c1cf246 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - シラユキさん» 最後まで読んで下さりありがとうございます！貴方様にそう思って頂けてとても嬉しく思います！こちらこそ素敵なコメントをして下さり本当にありがとうございました！ (2019年12月18日 23時) (レス) id: 377f79ecdf (このIDを非表示/違反報告)
シラユキ(プロフ) - ラスト、泣きそうになってしまいました！！ どのページも楽しみながら読み進めることできました！！ 本当に最高の作品をありがとうございます！！ (2019年12月18日 23時) (レス) id: 4aa4850497 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - ひまりさん» 最後まで読んで下さりありがとうございます！貴方様から何度もコメントが来るたびにとても励みとなっていました！そして、この作品を褒めて頂けてとても嬉しく思います！本当にありがとうございました！！ (2019年11月22日 20時) (レス) id: 1a1ef423e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Omiso
| 作成日時：2019年11月8日 22時
