つまらない ページ34
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「ねぇ国見くん映画館の席、私と隣にならない？」
「あ、ズルい！ 私も！」
うざい。
「うちは──」
「今日よろしくね！」
うざい。
「……よろしく」
頼むから離れて。そう口に出せたらどんなに楽か､しかし俺は知っている。例えこの気持ちを告げてもこいつらはしつこいことを｡
まじで誰か助けて。俺の心の叫びが届いたのか背中にトンと軽い衝撃が｡
「国見くん」
おはよ。と挨拶する泉を見るとキャンキャンとうるさかった女子三人が一気に黙った。さっき男に向かって媚びてたくせに今は泉を品定めするような目でジロジロと見ている。
だから来たくなかったんだよ。この豹変ぶりが気持ち悪いから｡
「そろそろ行こーぜ！」
タイミングよく俺を今日誘った張本人のやつが声をかけてくれたおかげでそれ以上は何もなかったけど、やっぱり泉を誘ったのは正解だった｡女子のメンツが悪すぎる。
「お前何であの三人誘ったの？」
「ん？ だって可愛いじゃん。そりゃ男なら美人に近づきたいでしょ」
真面目そうな面して彼女歴は恐ろしいほどあるこいつはすげえいいやつ｡だが女子を見る目がない。あんなにうるさい女のどこがいいのだか｡
「つーか、国見マジナイス！ 泉さん誘ってくれるとか！」
「それな、めっちゃ可愛いもんな〜」
神かよ。と手を合わせる友達を見て少しだけ得意になった。
「でも、この前噂で泉さん彼氏いるって聞いたんだよな」
「まじか､誰？」
「それは聞いてない」
「そこ聞けよ！」
こいつらもあの時の嘘知ってるのか。ただ相手が一応俺だというのは知らないみたいだからよかった。
前を見ると女子はあのうるさい三人はペチャクチャ喋っているけど泉は少し離れたところでそいつらを眺めていた。
「大丈夫？」
映画を見る前から疲れきった様子の泉に声をかけるとボソッと小さな声で
「なんか夏宮さんが三人になった感じ」
と言うから思わず夏宮さんが三人いるところを想像してしまった。
「それはヤバい｡」
あまりの恐ろしさにゾッとすると泉は足を止めて
「着いた｡私ここくるの初めてなんだよね」
楽しみ。と言うと映画館に入っていった。
「そう言えば映画って何見るの？」
「わかんない」
大事なこと聞いてなかったの？と笑う泉を横目に聞くと、そいつの口から出た映画名は恋愛モノ｡それもコテコテの｡
……つまんなすぎて寝るわ｡
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秋暁 - すみません、まだ、パスワードかかっているんですが、どこかに書いてあるんですかね、汗 よみはじめたばかりでして、！すごくいいお話だと思います！ (2021年1月18日 19時) (
レス) id: a154798d09 (このIDを非表示/違反報告)
マカロニ(プロフ) - uma__0229さん» コメントありがとうございます！続編は今書き直し中です｡今年中には公開予定なので､少しだけ待っていただけるとありがたいです！ (2020年12月7日 21時) (レス) id: 30ec427a94 (このIDを非表示/違反報告)
uma__0229(プロフ) - 今更すみません、続編を見たいのですがパスワードが分からなくて……どこかに書いてあったりしますかね…つい最近初めてよく分からないんですよ… (2020年12月6日 12時) (レス) id: 5892a46a47 (このIDを非表示/違反報告)
マカロニ(プロフ) - コトさん» コメントありがとうございます！夢主の性格気に入って頂けて嬉しいです！ (2020年8月13日 21時) (レス) id: 30ec427a94 (このIDを非表示/違反報告)
コト(プロフ) - 主人公の性格が好きすぎて一気読みしました！ (2020年8月13日 14時) (レス) id: 4d8ce1f9d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マカロニ | 作成日時：2018年12月16日 19時
