アイツは ページ28
・
バシンといい音をたてて､線の内側に落ちたボール｡
今はサーブ練の最中だ｡
俺もサーブトスを上げようとすると
「あれ？ Aちゃんは？」
岩ちゃん知らない？と及川が辺りを探すように視線を四方八方に向けながら俺に聞いてきた。
「あーさっきから見てねえよな」
「確かに」
花巻と松川もこっちへくると同意するように頷いている。
「あ、夏宮ちゃん！」
Aちゃんのこと知らない？そう聞くと､
「Aちゃんですか？
もしかしてサボり……あ！」
ごめんなさい！と慌てて口を押さえる夏宮。
「ねぇ､どういうこと？」
すぐに及川が険しい顔になって尋ねる。
「えーと、Aちゃんがさっきスマホしながら体育館出るの見ちゃって……でも！ もしかしたら理由があるのかもしれないので！」
変なこと言っちゃってごめんなさい！と頭を下げる夏宮に
「いいよ！ 教えてくれてありがとね」
「夏宮のせいじゃないしな」
「気にすんなよ」
三人とも優しい言葉をかけているけど、どうにも俺の中には引っ掛かってしょうがない。
「Aちゃん､仕事しないの？」
「まじで？ 泉､いい奴だと思ったけど」
「どうだろな……」
あいつがサボりなんてするか？
俺はそこがどうもおかしいと思う。
だって泉は､
あんなに目を輝かせてバレーを見るやつだぞ？
あんなに大切そうにボールに触るやつなんてなかなかいない｡
「俺はサボりじゃないと思う」
俺はあの瞳が､あの表情が､嘘なんて思えない。そのように告げると､
「あの､俺もです」
横から俺達四人ではない誰かの声が聞こえてきた
見るとそこには矢巾が立っていた。
「すみません。いきなり入って」
「いや､いいんだけどさなんで矢巾はそう思うの？」
花巻の問いかけに矢巾は
「だって泉は､ただひたすらにバレーが好きなバレー馬鹿ですから」
会って一週間しか経ってないですけどね。と笑っているがその言葉がやけにストンと俺の中に入ってきた。
「及川､俺が泉ちょっと探してくる」
「え、いいの？」
じゃあ頼む。お願いします。という声を背中に受けて俺は泉を探し始めた。
女バレに言って部室を見てもらったが荷物はまだあるとのことなのでまだ学校にはいるだろう。
まずは､体育館周辺から探すか。
そう考えて角を曲がった俺の目には、
うずくまって震えている泉の背中が飛び込んできた。
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秋暁 - すみません、まだ、パスワードかかっているんですが、どこかに書いてあるんですかね、汗 よみはじめたばかりでして、！すごくいいお話だと思います！ (2021年1月18日 19時) (
レス) id: a154798d09 (このIDを非表示/違反報告)
マカロニ(プロフ) - uma__0229さん» コメントありがとうございます！続編は今書き直し中です｡今年中には公開予定なので､少しだけ待っていただけるとありがたいです！ (2020年12月7日 21時) (レス) id: 30ec427a94 (このIDを非表示/違反報告)
uma__0229(プロフ) - 今更すみません、続編を見たいのですがパスワードが分からなくて……どこかに書いてあったりしますかね…つい最近初めてよく分からないんですよ… (2020年12月6日 12時) (レス) id: 5892a46a47 (このIDを非表示/違反報告)
マカロニ(プロフ) - コトさん» コメントありがとうございます！夢主の性格気に入って頂けて嬉しいです！ (2020年8月13日 21時) (レス) id: 30ec427a94 (このIDを非表示/違反報告)
コト(プロフ) - 主人公の性格が好きすぎて一気読みしました！ (2020年8月13日 14時) (レス) id: 4d8ce1f9d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マカロニ | 作成日時：2018年12月16日 19時
