話 ページ27
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「Aちゃ〜ん！」
ちょっと来て！ と本日もぶりっこオーラを振り撒く夏宮さんから手招きと共に呼ばれた。
「はい？」
やっぱり化粧濃いですね。汗で落ちません？
最近､香水の匂いきついから側に行きたくないんだよな。そう思いつつも駆け寄って尋ねると
「あのね〜、大事な話があって｡いい？」
「はい」
ちょっとあっち行こっか！そう言ってパタパタと変な動きで走る夏宮さん。
もしかして、その動きかわいいとか思ってます？
「痛い……」
夏宮さんのあまりのイタさにむしろ見ている方が恥ずかしくなってくる。
思わず痛いとか本音を呟いてしまったけど､幸いなことに本人に聞こえてないみたいだ。
「話って何ですか」
そう切り出した途端に私は振り向いた彼女の表情に凍りついた。
そんな彼女は言った。
「Aちゃんと英くんって〜付き合ってるんでしょ？」
あの嘘のことを｡
その奥に憎悪を孕んだ瞳で｡
ドクン
心臓に冷たい何かを突き刺された感覚。
その傷から血が流れ出てゆっくりと広がっていくように私の全身が恐怖に支配されてゆく。
「私の王子様に手をだすとか本当に何様なのぉ？」
もう頭が真っ白になって夏宮さんの言葉もよく理解できない。
「だいたいなんで貴女みたいな生意気そうな子がマネージャーなの？ 意味わかんない」
やめて､その瞳で私を否定しないで｡
「とにかく今すぐに英くんと別れてあげなさい！ ……わかった？！」
自分の勝手な解釈と意見を振りかざすと正義の味方を気取った彼女は満足そうにその場から立ち去ってしまった。
姿が消えた途端、安堵から脚の力が抜けてその場に座り込んでしまった。
私はあの瞳を知っている。
思い出したくもない。忘れてしまいたかったあの瞳を思わぬところで思い出してしまった。
あの憎悪と否定の言葉。
初めてそして今日あれを向けられた時私は間違っていた？
いや、間違ってない。あれは相手が悪い。
本当？
いくつもの自問自答が脳内と心をかき回して思考が停止しそうになりながらもわずかに残った理性がとりあえず体育館に戻れ。と叫んでいる。
しかしそうは言うもののなかんずく私の脚は震えて使い物にならない。
誰でもいいから今すぐ側に来て欲しい。
誰かに正しいと肯定してほしい。
そんな考えに溺れながら私は情けないくらいに震えてそこにうずくまっていた。
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秋暁 - すみません、まだ、パスワードかかっているんですが、どこかに書いてあるんですかね、汗 よみはじめたばかりでして、！すごくいいお話だと思います！ (2021年1月18日 19時) (
レス) id: a154798d09 (このIDを非表示/違反報告)
マカロニ(プロフ) - uma__0229さん» コメントありがとうございます！続編は今書き直し中です｡今年中には公開予定なので､少しだけ待っていただけるとありがたいです！ (2020年12月7日 21時) (レス) id: 30ec427a94 (このIDを非表示/違反報告)
uma__0229(プロフ) - 今更すみません、続編を見たいのですがパスワードが分からなくて……どこかに書いてあったりしますかね…つい最近初めてよく分からないんですよ… (2020年12月6日 12時) (レス) id: 5892a46a47 (このIDを非表示/違反報告)
マカロニ(プロフ) - コトさん» コメントありがとうございます！夢主の性格気に入って頂けて嬉しいです！ (2020年8月13日 21時) (レス) id: 30ec427a94 (このIDを非表示/違反報告)
コト(プロフ) - 主人公の性格が好きすぎて一気読みしました！ (2020年8月13日 14時) (レス) id: 4d8ce1f9d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マカロニ | 作成日時：2018年12月16日 19時
