王様 ページ19
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「練習試合……ですか？」
「そう､急遽来週の火曜日にやることになった」
いや、本当に急ですね。今日金曜日ですよ。
朝練が始まってそうそうに溝口コーチから出された練習試合の話｡みんなその話題が出たとたん、空気が緊張する。
選手からしたら貴重な試合｡みんなスタメンを狙っているため緊張感も出るだろう。私も選手ではないがバレー部に入って初めての練習試合。多少なりとも緊張はする。
そんな空気のなかただ一人､
「練習試合の相手って何処ですかぁ？」
夏宮さんだけは緊張感などどこ吹く風といったように今日も安定のキャピキャピオーラを振りまいている。
てか、今日の夏宮さんはかなり香水がキツイ。甘い香りがキツすぎて､かえって不快感をもよおす。
今だけ己の嗅覚を遮断したいと心から願っていると
「相手は烏野高校｡場所はうちの体育館で時間の関係上１ゲームだけだ」
意地見せろよ。という言葉に「オス！！」と男子特有の大きな声で朝の体育館が揺れた。
やっぱりみんな気合い入ってるな。当たり前か。ここは強豪だから気を抜こうものならすぐに抜かされてしまう。
そんな雰囲気に触発されて私も自然と気合いが入る。渡さんが
「なあ、烏野ってどこだかわかる？」
と聞いてきた。なんかどこかで聞いたことあるような……どこだっけ？
「いや、私も知りません」
どこかで聞いたことあるはずなのにいつ聞いたのか。肝心なことが思い出せずにモヤモヤしていると横から
「あれです。『コート上の王様』がいった高校です」
鋭い声に驚いて見ると怒気を孕んだ金田一君が立っていた。
「コート上の王様？」
誰かの異名だろうか。なんとも誉れ高い名前だ。
「俺らと同じ中学だったやつ。そいつ、本当に自己中で横暴な王様だったんだよ。いつも無茶ぶりなトスばっかで」
本当にうんざりだった。と語る金田一君はいつもの私が見ている金田一君じゃない、怒っているように見えてどこか傷ついたような顔だった。
「……大丈夫？」
思わず金田一君の背中を軽く叩いてそう言っていた。
金田一君の驚いた顔を見て自分のしたことをよく考えてみる。
「ごめん､何も知らないのに変なこといった」
本当にごめん｡そう頭を下げると慌てたように
「いや、ありがとう」
目の前で笑う金田一くんは私の知る金田一くんの顔で少し安心した。
「Aちゃん！ 勇太郎くんの練習の邪魔しちゃダメだよ！」
……いや、空気読んで下さい。夏宮さん｡
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秋暁 - すみません、まだ、パスワードかかっているんですが、どこかに書いてあるんですかね、汗 よみはじめたばかりでして、！すごくいいお話だと思います！ (2021年1月18日 19時) (
レス) id: a154798d09 (このIDを非表示/違反報告)
マカロニ(プロフ) - uma__0229さん» コメントありがとうございます！続編は今書き直し中です｡今年中には公開予定なので､少しだけ待っていただけるとありがたいです！ (2020年12月7日 21時) (レス) id: 30ec427a94 (このIDを非表示/違反報告)
uma__0229(プロフ) - 今更すみません、続編を見たいのですがパスワードが分からなくて……どこかに書いてあったりしますかね…つい最近初めてよく分からないんですよ… (2020年12月6日 12時) (レス) id: 5892a46a47 (このIDを非表示/違反報告)
マカロニ(プロフ) - コトさん» コメントありがとうございます！夢主の性格気に入って頂けて嬉しいです！ (2020年8月13日 21時) (レス) id: 30ec427a94 (このIDを非表示/違反報告)
コト(プロフ) - 主人公の性格が好きすぎて一気読みしました！ (2020年8月13日 14時) (レス) id: 4d8ce1f9d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マカロニ | 作成日時：2018年12月16日 19時
